帝京大学医学部の予想問題 — 文法の解説前編
帝京大学医学部の予想問題の解答と解説を書きます。選択肢の中にヒントを入れておいたケースも多いので、そういう点にも触れますね。予想問題本文はこちらです。
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例題を解く以上に、書いてある解説をしっかりと覚えることが点数アップにつながります。丁寧に読みましょう。
第1問
To show that he ( ) follow, he dared to speak up in the meeting.
選択肢 [is, did not, do, does, did]
答え・did
一読して意味がわからないなと思っても、後半部分が過去形です。これをヒントにすると、答えはdid notまたはdidに限定されますね。同じ文では基本的に時制は同じだからです。
次に文脈を考えると、後半で「あえて/がんばって~してみる」という意味のdare to ~が使われています。動詞のspeak upは「声をあげる、発言する」という意味です。つまり「がんばってミーティングで発言してみた」と言っていますので、前半はそれに関連する内容になるはずです。
前半部分を見てみると、To+不定詞「~するため」で始まっています。ここではto showなので「示すため」ですね。つまり彼は、話にちゃんと着いていっていることをアピールしたかったのです。よって正答は、否定形のdid notではなくdidです。
訳「会議の内容がわかっていることをアピールしようと、彼はがんばって発言してみた。」
To show that he did followの代わりにTo show that he followed(またはwas following)であっても、かなり意味は似ています。では何が違うかというと、わざわざfollowedをdid+原型に分けることで、follow本来の意味「着いて行く」ということを強調しています。
たとえば先生が「前も言って聞かせたじゃないか?」と生徒を叱る時、
★I told you, didn’t I?
より、
★I did tell you, didn’t I?
のほうがより怒ってます。「あんなに言ったのに」みたいなニュアンスですね。
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第2問
He never writes to me. I guess the saying is true; out of sight, out of ( ).
選択肢 [brain, flow, mind, feeling, memory]
答え・mind
これは、知らないとけっこう厳しい慣用句の問題です。まず第一文目では「彼から全然メールが来ない」と文句を言っています。
★He does not write to me.
より
★He never wirtes to me.
にした方が、まったく一通もメールが来ない(怒)という気持ちが強調されています。
書き換えをするなら、
★He does not write to me at all.
となります。この時、neverで否定したら主語Heに引っ張られて動詞writeは三単現のsがついたままな点に、注意してください。
2文目は
★I guess (that) the saying is true.
という構成で、実は2つの文からできています。I guess~は「○○なのね」みたいな軽い言い方ですから「 saying = trueなのね」、つまり「ことわざ通りだわ」とため息をついています。
そして3文目の
★Out of sight, out of mind.
ということわざで、日本語では「去る者は日々に疎し」に近いです。sightはseeの名詞形で、目に入るものをさします。視力eye sightなどでもよく出てくる言葉です。つまりsight「目の届く範囲」からoutだと、mind「心」からもoutになってしまうという意味です。
訳・「(いったん離れたら)もう彼からメールもラインも全然来ないのよ。去る者は日々に疎しって言うけど、本当よね。」
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第3問
What do you mean ( ) “I do not recall that conversation”?
Were you not listening at all?
選択肢 [from, therefore, whenever, to, by]
答え・by
meanは「~という意味である」という動詞です。What do you mean by ~で、「~というのはどういうこと」というイディオムとなります。What do you mean by that?などは、けっこう緊迫した議論などをしていたらよく聞く言い方で、「それ、どういうこと?」という意味です。
2文目のrecallは「思い出す」という動詞。ここでの意味はrememberとほぼ同義です。conversationは会話ですね。
★I do not recall that conversation.
つまり「そんな話なんて覚えてないよ」とうっかり言ったものだから、相手に逆ギレされているのです。
そして3文目は、さらに怒り爆発。
★Were you not listening?
だけで「話、聞いてなかった?」と責める言い方ですが、さらにat allまで入っていますから、「まったく話聞いてなかったってこと?」とブチきれてますね。
訳・「『そんな話したっけ』って、どういうこと?全く聞いてなかったわけ?」
ふざけんなよ、とパンチの一発も飛びそうな怒り方です。
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第4問
It is ( ) it is. You have to live with it.
選択肢 [not, never, what, when, from]
答え・what
これも、知らないと困る問題。ただヒントはあって、whatとwhenの2つの疑問詞が入れてあるので、じゃあこれのどちらかなと思ってほしいところです。
★It is what it is.
はこれまた外資系金融ではよく聞く言い方で、「しょうがないなぁ」という諦めを意味します。目の前にある現状をas it is「そのまま」受け入れるしかないという意味です。
2文目の
★You have to live with it.
も同じような意味の文で、前の文のヒントになっています。実際2つセットで口にすることが多いです。have to~はneed to~と同じで「〜しなきゃ」という意味。
live with ~はput up with ~とかbear with~と同じで「我慢する」です。我慢の程度は
★bear with < live with < put up with~
とストレス度が高くなります。
★Bear with me.
などは「ちょっと我慢してね」「ちょっとだけ待っててね」ぐらいの軽い言い方でも使います。たとえば女の人がちょっとブーツを履き直すのに、恋人にちょっとの間だけバッグを持ってもらう時などに、にっこり笑って言う言い方です。
逆にput up withになると、たとえば口臭のひどい人と同じ教室で、それでも我慢しないといけないような時に使います。相当に嫌でしょう?
訳・「どうしようもないよ。我慢しないとね」
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第5問
With ( ) to the point, we should convene again tomorrow for further discussion. First, we should take it back and ( ) on it overnight.
選択肢
- regarding, think
- regard, sit
- related, consider
- regards, sleep
- relation, get
答え・regards, sleep
With regards to~=In relation to~=Regarding~はどれも同じ意味で、「○○に関しては」というけっこうお堅い言い方です。入試ではよく出ますね。特にWith regards toは変なとこにsが入っているので、気をつけましょう。
conveneは「会議などを召集する」という少し高度な単語です。furtherはmoreと同じ意味ですから、for further discussionは「もっとよく話し合うため」という意味です。つまり一文目は「そのポイントに関しては、明日また会議をやり直してもっと話し合った方がいい」と言っています。
2文目のFirstは「まず、とりあえず」みたいな意味ですね。「会議が煮詰まっちゃったので、とりあえず解散して take it backしてsleep on it overnightしよう」と提案しています。何をtake backするのか、itが差しているものは分かりましたか?1文目のthe pointです。つまり「議題は持ち帰って」さらに一晩かけてovernightで熟考すべきだと言っています。
sleep on itは、睡眠学習じゃないですが「ちょっと寝かせて考えてみよう」という意味です。別の選択肢にあるsit on itでも似た意味となりますが、これはセットになっている一語目がregardでregardsではないので誤りとなります。ひっかけ問題でした。気づきましたか?
訳・「その点については、明日また会議を開いて再度話し合いましょう。いったん持ち帰って、一晩熟考すべきかと思われます」
問題を作るより、解説を書くほうが何倍も時間がかかりますね。残りは明日にします。そして問題を解くよりも、復習の方が何倍も大事です。
上に書いたことはよく使う言い方ばかりなので、丸暗記しておいてください。きっと役に立つ日が来ますので。