帝京大学医学部の予想問題 — 文法の解説後編
1週間、勉強がんばれましたか。
雪が積もった先週ほどではないにせよ、朝の通勤時のロンドンは毎日氷点下で、一歩外に出ると「おっとっと」と思う寒さです。来週になると少し緩むようですが。あと3週間で日本出張なので、それまでは万全の寒さ対策と我慢が必要です。イギリスは北海道より緯度が高いといいますから、その割には暖かいと感謝しています。
外は寒いですが、こちらの家はどんな古家でもセントラル・ヒーティングがあって、暖房なしで18度、点火時間になると22度ぐらいと暖かいです。東京の自宅は1階がひどく底冷えするので、戻ったら逆につらく感じるかもしれません。
では、解答の続きを書きます。あと半分ですからサクッといきましょう!予想問題本文こちらです。
medicpress-harada.hatenablog.com
第6問
She is ( ) an ( ) person. I have never seen anyone like that.
- so, interested
- such, interest
- so, interesting
- very, interested
- such, interesting
答え・such, interesting
これはかなりのボーナス問題です。間違えるようだと、だいぶさかのぼって復習した方がいいかもしれません。「あの子ってほんと○○だよね」という決まった言い方は、
A・She is so + 形容詞. または
B・She is such a + 形容詞 person.
の2パターンがあります。例題ではpersonが入っていますから、Bのパターンですね。2文目はI have not seen anyone like that. 「あんなの見たことないを少し強調して、notがneverになっています。
訳・「あの子、ほんと面白いよね。あんなの見たことないや。」
外資系金融機関で働いていても、いまひとつ形容詞の区別が出来ておらず、失笑を買う日本人はよくいます。たとえばinterestingとinterestedや、frustratingとfrustratedです。自分を主語にした場合に~ingの形容詞を使うとほぼ間違いますから、気をつけてください。
たとえば、
× I’m interesting.
といったら「僕は面白いんだよ」という意味になって、「は?」という顔をされます。
○ I’m interested in~.
だと、「僕は〜に興味があってね」という言い方なので、おかしくありません。
何かがうまくいかなくてイライラするのはfrustrated with~ですが、これを誤って
× I’m frustrating.
と言ってしまうと、「僕ってイライラさせるやつでしょ」という意味になって、本気でウザがられます。
同様に、「〜にはがっかりさせられる」という文は
○ I’m disappointed at~.
ですが、誤って
× I’m disappointing.
と言ったり、よく分からない場合にI’m confused.と言おうとして
× I’m confusing.
と言う人がいます。
が、これはI’m disappointing.が「僕って場を盛り下げるよね/見かけ倒しだよね」、I’m confusing.が「僕、言ってることめちゃくちゃだよね」のようなひどい意味なので、いつまでも直さずに使っていると、外国人の同僚が馬鹿にして口をきいてくれなくなります。
自分で思っている以上に誤るので、試験でもよく出ます!
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第7問
Although it was such a hard assignment, I ( ) to finish it by the deadline. I am proud of ( ).
- have managed, me - managing, I - manages, you
- managed, myself - manage, yourself
答え・managed, myself
これも同じ単語の時制などがちょっと違うだけの、細かい問題です。最初の選択肢を見て、すぐI have managed to finish it…とした人がいるかもしれません。ただしこれはひっかけで、proud of~の後に自分を入れる場合はmeではなくmyself が入るので、誤りです。合格した友人に「よくやったな!」と喜びを示すときは、
I’m proud of you!
でいいのですがね。myselfは、by myself「独りで」という意味でもよく使います。
manage to~は「なんとかやり遂げる」という努力の結果を表します。assignmentは宿題という意味でよく出ますが、タスクやプロジェクトといったけっこう大掛かりなものをさすこともあります。広義の「やらなきゃいけないこと」という意味では似ていますね。
by the deadlineは、もちろん「期日までに」。Come here by three o’clock.だと「3時までに来てね」です。基本中の基本の意味は、「○○のそばに」なので、中学で初出する際は、The cat is by the chair.みたいな例文で登場しましたね。
訳・「難しい課題だったが、なんとか期日までに終わらせた。自分でもえらいと思うよ。」
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第8問
Tom was ( ) shorter than his friends, so they used to ( ) on him after school.
- literally, put
- unbelievably, keep
- considerably, pick
- little, carry
- incredibly, move
答え・considerably, pick
これは「〜をいじめる、からかう」という意味のpick on ~を知らないと、厳しいかもしれません。逆にpick on~さえを知っていれば、1つ目のかっこに入る言葉が分からなくても、「トム君は友人よりconsiderablyに背が低かったので、放課後によくいじめられた」と正答が得られます。
used to~は「よく〜したものだ」という経験や習慣を表す言い方ですが、be動詞がついて
★I am used to travelling abroad.
などになると、「海外の一人旅も慣れています。」という全く違う意味になるので、気をつけましょう。
選択肢の中にもたくさん重要単語があって、literallyは「文字通り」です。literature「文学」と同じliteraで始まりますね?「識字率」という意味のliteracyもお仲間です。
unbelievablyは形容詞unbelievableが形容動詞になったもの、incrediblyも元は形容詞incredibleで、ともに「信じられないほど」という意味です。crediは信じるという意味を根幹に持つ言葉です。クレジットカードは与信してくれる、つまりあなたを信用して短期でお金を貸してくれますね。credibleで信用できる、inを足してincredibleにしたら反対の意味で「信用できない、信じられない」となります。
inを前に足すことで否定の意味になる言葉には、
・invisible「目に見えない」
・inconsistent「consistentでない=一定ではない」
・indescribable「describeできないほどの=(良い意味でも悪い意味でも)表現できないほど程度が激しい」
などなどがありますnonで否定形になるのはすぐ分かりますが、inやunでも否定の意味の形容詞になってることがあるので、妙に長い単語だなぁと思ったら最初に余計なinやunがついていないか確認するとよいです。
訳・「トムは友人たちよりずいぶん背が低かったので、放課後よくいじめられた。」
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第9問
Improvising is one of his talents. He is just so ( ) and I am always impressed with how amusing he is.
- slow
- cold
- warm
- terrible
- quick
答え・quick
Improvisingは難しい単語で、「即興で(演奏や発言などを)する、機転を利かせて対応する」という意味です。それさえ知っていれば、迷わずquickを選べますね。
もし分からなくても、一文目ではimprovising=one of his talents「(いくつもある彼の)才能の1つ」だとほめ、二文目でもI am impressed with~と言っています。これも「○○に感銘を受ける」というほめ言葉なので、slowやterribleといったネガティブな選択肢は外れます。
訳・「あいつは本当に機転が利く。すぐキレのあることを言うから、いつも面白いなと関心するよ。」
こう言われるようになりたいものです(笑)。
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第10問
I ( ) said that without confirming the latest status. I promise to be more prepared next time.
- never would have
- should have never
- could have ever
- shall have not
- would have never
答え・should have never
最後は後悔を表す言い方。should have ~で「○○しておけばよかったのに」という、とても残念な感じがにじみ出ます。逆に「○○なんてしなきゃよかった」という反対方向の後悔には、should not have ~またはshould have never~です。~の部分は過去分詞型ですからご注意を。
似たような選択肢でshall have notが混じっていますが、これは引っ掛けです。まず後悔を示している文章だということを理解したら、should haveを探す方向に頭が向きますね。選択肢には、当然あるはずのshould haveやshould not haveがありませんから、次善のshould have neverが正解です。
ではこの文では、何を後悔していますか?without ~ingは「〜せずに」何かしちゃったことを後悔していまね。つまりconfirming the latest statusをせずに何かをやっちゃった、またはやらなかったわけです。latestはlate, later, latestと最上級で「直近の」という意味です。直近のステータスつまり最新状況をconfirmせずにやっちゃったのです。
confirmは動詞で「確認する」という意味ですが、confirmationという名詞の方が知られているかもしれませんね。飛行機に乗る際は、昔はフライトの前にリコンファームといって航空会社に電話して席を確保してもらう必要がありました。reは「再度」という意味があり、返信reply、繰り返しrepeat、復習review、復讐revengeなどいくつか大事なところは押さえておきましょう。
I promise to be more prepared next time.は、今回は最新状況を確認しないままで発言して恥をかいたので、I promise「約束します」+ to be more prepared 「もっと準備万端にしておくことを」+ next time「次回こそは」と反省しています。
訳・「最新状況を確認せずに、あんなことを言うのではありませんでした。次回はもっと準備するようにします」