色々ありますシリーズ・英語ではない外来語
15世紀、西洋諸国が大航海時代だ!と競って世界中に出没するようになり、100年しないうちに日本にも西洋文化が流れ込みました。それまで存在しなかった物や概念も持ち込まれ、日本人はそれをそのままカタカナとして日本語に取り込んだわけです。
ただ当時は付き合いの深い国がオランダやポルトガルだったので、カタカナ表記される外来語で実は英語ではないものも実はたくさんあります。こういう言葉は英語圏では全く通じないので、注意が必要です。
英語ではない外来語で代表的なのは、
・ランドセル = 背負いカバンを意味するranselはオランダ語。無理に英語にするならleather bag pack
・ゴム = gomもオランダ語で、英語ではrubberです。例えば輪ゴムはrubber band。発音を誤ると愛人loverになるので注意
・ピンセット = これもオランダ語。英語ではtweezer
・カルタ = カルタ遊びを意味するcartaはポルトガル語。英語でplaying cards
・タバコ = これもポルトガル語で、英語はsmoking
・ブランコ =ポルトガル語。英語ではswing
・パン = ポルトガル語。英語では数えられない名詞bread。パンを一切れという場合は、one bread, two breadsではなくa slice of bread, two slices of bread
・コップ = ポルトガル語。英語では陶器のカップはcup、ガラス製のコップだとglass
・カルテ これはドイツ語。昔は医学の発達したドイツをモデルにしており、患者を表すクランケなどもよく使われていました。英語ではchart
などですね。
ポルトガルは一時期、広く世界に進出していたので、ビスケット・ボタンなど他国でも意味が同じ単語もあって一安心です。
学生さんなら必ず使うホチキスも、作ったのは確かにホチキスさんですが英語ではstaplerと言います。セロテープはsticky tape、ガムテープはmasking tapeです。
あと、あまりに広く日本で使われているカタカナなのに、英語圏での意味と違うものもあるので、これも意識して気をつけましょう。代表的なのはnaiveナイーブ。これは元々はフランス語で「素直な・無垢な」という意味で、日本でも同様の意味で使われていますね。ただしこれが、英語圏では「世間知らずな愚か者」というかなりネガティヴな意味の形容詞になります。
「(そんなこと言うなんて)あなたは素直でかわいい方ですね」というつもりで、間違っても
x You are so naive.
などと言わないように。横っ面を引っ叩かれても文句は言えません。「(そんなこと言うなんて)どんだけ馬鹿なんだ?」という意味ですから。
★You are so adorable.
(adoreは「賞賛しうる」という意味の動詞。adorableで「本当にかわいらしい」という意味)
とか
★l love your innocent way of saying it.
(way of 〜ingで「◯◯なやり方」、その前は必ずmy, your, his, her, theirなど所有格なので注意)
が正解です。
あとvinylビニールも、日本語ではよく使いますが、英語圏では代わりにplasticを使うことが多いです。例えばビニール袋はplastic bagです。「ビニール袋を渡してくれる?」は
★Can you pass me a plastic bag?
です。ケンブリッジ大学の辞書でも「建築その他の素材として広く用いられる強化プラスチック、またはレコード」となっています。CDすら買わないこの時代に、レコードとは!平成生まれの人は実物を見たことないのでは?
この単語vynilですが、そもそも日本での発音は間違っていて英語圏では通じません。正しくはこちらです。
あまりに違っていて、最初に間違ったやつ出て来いという感じですが…。
発音といえば、今メルボルン・カップで盛り上がっているMelbourneも、現地ではメルボンと発音します。宣教師が聖書を伝えるのにローマ字表記を使ったので、日本ではイタリア式の発音を引きずって r をルと言ってしまいますが、イギリスやオーストラリアのような英国式英語では r はほぼ発音しません。
たとえばcarも単なるカタカナのカーと同じで、アメリカ式やアイルランド式英語のような巻き舌にはしないのです。アメリカ人はMelbourneをメルボーーンのように伸ばして呼びますが、それでも日本語で言うメルボルンとは全く異なります。息子がメルボルン生まれなので、つい熱く語ってしまいました。
こちらも、和製英語に関して良くまとまったサイトです。