医学部予想問題 ー 会話文の解説 2/5
今日は、第2問目の会話を解説します。
例題
A: What a downpour! I am soaking.
B: Have you got a towel to wipe yourself?
C: We may have to leave early today, since trains may stop. Then we’ll get stranded.
正解: rainy
これは「タオル」や「拭く」、「電車が止まる」など、豪雨だなと思わせるヒント満載でしたね。一文ずつ見てみましょう。
A①: What a downpour!
「なんてひどい雨だ!」という感嘆文です。What a〜!またはHow〜!で「なんて◯◯なんだ」という文ですが、間違えやすいのが〜の部分です。Whatの次は、aが入っていることからお分りの通り、必ず名詞です。ここではWhat a downpour!と言っていますね。
downは「下へ」pourは「注ぐ」という動詞で、足すと「どしゃ降り」という名詞になります。一方、How〜!で始まる感嘆文の場合は、必ず形容詞で受けます。
分りやすいように、「散らかった状態」を表す名詞messと形容詞messyを使ってみましょう。自分の部屋を散らかしていたら、綺麗好きなお母さんが急にドアを開けました。さあ怒ります。
What a mess! Clean up!!と叫ぶか、How messy ! Clean up!!と叫ぶか。
どちらの文でも「なんて散らかしているの、片付けなさい!」という意味です。How messy!はフルで書くとHow messy+主語+述語で、
★How messy your room is!
または呆れ果てた感じで
★How messy is your room?
と悲鳴にも似た疑問文になります。ただ激怒状態だと、How messy!までで怒りで声が途切れるでしょうね。「今すぐに」という怒声もセットにするなら、Right now!!!ですね。お母さんの怒声もだんだん声も大きくなりますから、!の数も増やしておきました。
もう一例挙げましょう。天災のニュースが流れた時は、「ひどいねぇ」と言いますね。これをWhatで始めると、
★What a disaster!
Howで始めると
★How terrible!
となります。disasterは「ひどい状態」という名詞で、そのものずばり天災を指すこともあります。terribleはhorribleでもいいです。「恐ろしいほどひどい」という形容詞ですが、ホラーhorrorから派生したhorribleの方がぞっとする程度が高いです。
A②: I am soaking.
ひどい雨のせいで、ずぶ濡れになったようです。soakは「水に浸す」という動詞で、それにingが付いて形容詞になっています。水に浸したような、つまり「びしょ濡れの」という意味です。Aさんはdownpourにやられてsoakingな状態なわけです。I'm soaking wet.とも言います。
B: Have you got a towel to wipe yourself?
さて、びしょ濡れのAさんを見て、Bさんが心配して「タオル持ってる?」と声を掛けています。
Have you got a〜は、Do you have a〜と同じ意味ですが、実際の会話ではHave you〜の方をよく使います。Hove you got a towel?ですから、「タオルあるの?」という意味ですね。
to+動詞の原型(不定詞とも呼びますね)は、もちろん「◯◯するために」という目的を指す修飾語です。
wipeは「拭く」という動詞で、車のワイパーwiperは日本語になっています。赤ちゃんのお尻拭きは、英語でも分りやすくbaby wipeです。
このwipeという動詞は、拭く対象が自分自身だった場合は必ず〜selfの形になるので、注意してください。
★I wiped myself.
★She wiped herself.
の2文では、自分で自分の濡れた体を拭いています。一方、恋人同士などで
★He wiped her hair.
となると「彼は彼女の髪を拭いてあげた」という意味になって、彼女が自分で拭いていません。よって〜selfという形ではなくなっています。
C① We may have to leave early today, since trains may stop.
mayは「◯◯かもしれない」意味を足す助動詞です。かもしれない程度の物柔らかな言い方なので、会話では頻出です。
have to〜は「◯◯する必要がある」という言い方の中で、一番緊急性が低い言い方です。have to〜よりneed to〜の方がより必要で、must〜になったら絶対ですね。いずれも〜には動詞の原型が入ります。
一方、mayが緊急性が低く、have toも同様の言い方の中で一番必要性が低いですから、ほんの思い付きで言っただけだというニュアンスになっています。
それでは何をしないといけないかもとCさんが言っているかというと、動詞はleaveですね。基本的な意味は「◯◯を去る」という意味ですが、ここでは今いる場所を去る、つまり「帰宅する」のような意味で使っています。しかもearlyという「早めに」という意味の助動詞も付いていますから、「早めに帰った方がいいかもよ」という文です。
leaveは去るという意味ですから、イディオムでon leaveというと「欠席している」という意味になります。She is on sick leave.だと病欠で、She is on annual leave.だと有給休暇中、She is on study leave.だと試験休暇中です。
さてCさんの心配が帰宅の心配を理由は、since trains may stop.と言っています。sinceは、becauseでもasでもforでも同じ、「〜だから」という接続詞です。
さて、ここでもまたmayを使っています。trainが複数形になっていますから、豪雨で「電車止まっちゃうかもしれないから」早く帰った方がいいかもねという主旨の文ですね。この文を見る限りCさんは普通の人で、電車を止める権限はないでしょうから、trains will stopという断定的な言い方は出来ず、trains maybstopという曖昧な言い方になっているわけです。
C:② Then we’ll get stranded.
thenは「それから」や「次に」という意味の修飾語ですね。電車が止まったら、帰宅難民が出るのはどこも同じです。get strandedは「置き去りにされる」や「行き場を失う」という言い方です。覚えておきましょう。
注目して欲しいのは、前の文ではmayしか使っていなかったCさんが、ここではwe will get stranded.とwillを使っている点です。電車が止まるかどうかはよく分からなくても、止まってしまったらget strandedの可能性はぐっと高い様子を、mayではなくより確実性の高いwillで表しています。