医学部予想問題 ー 会話文の解説 4/5
解説を書いていると「ここはポイント」「ここはよく試験で出るな」などどんどん長くなってしまって、一度に書ききれずすみません。
お天気の次は、「以下の会話文を読み、AとBの関係と思われるものを選択しなさい」という、会話している人物の関係性を問う問題でした。お天気の会話に比べると、ぐっと簡単になっています。これも例題を2つずつ見ていきましょう。
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第1問
A: Have you done your homework?
B: Oh sorry, I have not.
A: Did I not tell you to finish it before dinner?
B: Sorry, dad. I’ll do it straight away.
選択肢
a: curator and patron 「学芸員と(博物館や美術館の)お客さん」
b: teacher & pupil 「先生と生徒」
c: friends 「友人同士」
d: father and child 「父と子」
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いつもやっておられると思いますが、選択肢問題が出たらまず2秒でいいので中身を見てくださいね。今回のようにシチュエーションを問う問題であれば、並んだ選択肢以外の状況は考えなくていいわけですから、この2秒でぐっと気持ちが楽になります。問題の本文を全くを見ないうちに少しでもヒントが得られるわけですから、習慣にしてください。
あと、選択肢aのように、時にはわざと分かりにくいような選択肢が入っている場合もあります。しかし、必ずしもそれが答えとは限らないので注意が必要です。受験生に動揺を与えるためだけに入れてあることも多いですから。
A①:Have you done your homework?
Have you+動詞の過去分詞形~は「~はもう済ませたか?」という完了形の言い方。ここでは、「宿題はもうやったか?」と完了したかどうかを確認しています。
B①:Oh sorry, I have not.
謝った上でI have notと否定していますので、どうやらやっていないようです。Oh sorryという謝り方に、あぁ怒られるという緊張感が現れています。
「ごめんなさい、まだです」はこのほかにも
★Sorry, not yet.
でもいいです。Sorry, I have not done it yet.の略ですね。
英語もしょせんただの言語ですから、構造は難しくないです。そうじゃないと世界で10億人ものが使えません。
★Have you?で聞かれたらYes, I have.またはNo, I have not.
★Did you?で聞かれたら、Yes, I did.またはNo, I did not.
と自動的に相手の質問を受けて同じ形で返答するだけでいいです。
とここまでだと、選択肢bの先生と生徒を選びたくなってしまいますが、これはひっかけるための選択肢です。早とちりをせず続きを読みましょう。
A②: Did I not tell you / to finish it / before dinner?
少々文が長くなると、区切って考えると分かりやすいですね。
★Did I not tell you~「言わなかったか」=言っておいたじゃないかという、反語を用いた叱責の言い方
★to finish itはto+不定詞(つまり動詞の原形)の言い方ですから、to以下を言っておいたじゃないか、と続いています。つまり「それ(宿題)を終わらせておくように」
★before dinner 「夕食の前に」
まとめると、「夕食前に宿題を済ませておくよう、言っておいたじゃないか」という文です。急に家庭内の会話っぽくなりました。先生と生徒ではありませんね?
B②: Sorry, dad. I’ll do it / straight away.
また謝っています。上の文でAさんの怒りが増したからですね。しかもSorry, dad.と「お父さん、ごめんなさい」と言っていますので、正解はdです。
毎回のように、例文ではmay (might)かshall (should)かwill (would)が登場しています。この順番にやる意思や可能性が高くなるのでしたね。BさんはI will do itと約束する形でとりなしています。しかもstraight away「今すぐに」とお父さんを安心させようとしていますね。from nowやright nowでも同じ意味です。
前に解説した、後悔を表現する構文を覚えていますか?should have+動詞の過去分詞を使い、現在完了形の文でした。Bさんは心の中で
★I should have done the homework before dinner.
または
★I should have finished the homework before dinner.
と思っているはずですね。
doは「する」という動詞としても使えて、ここでfinishと同義で使われているように、完了形になると「〜を終わらせる」という意味も出ます。用意している人に「まだ?」と聞くには
★Are you done (yet)?
と声をかけるといいです。
★Not yet!「まーだ」
★Almost there!「もうちょい」
★Coming!「もういくから」
という3パターンの答え方と一緒に覚えておきましょう。
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第2問
A: Hello, what happened to you today?
B: Hi, I have nausea since early this morning.
A: Did you actually throw up?
B: Yes, a few times.
選択肢
a: colleagues 「職場の仲間」
b: driver & passenger 「ドライバーと乗客」
c: doctor & patient 「お医者さんと患者さん」
d: telephone operator & customer 「テレフォン・オペレーターとお客さん」
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A①: Hello, what happened to you / today?
「こんにちは。今日はどうされましたか?」と具合を尋ねています。選択肢は最初に見ていると、cの「お医者さんと患者さん」がそれっぽいなと、最初の1文だけですぐ気づきます。読み進めましょう。
B①: Hi, I have nausea / since early this morning.
「こんにちは。朝方から吐き気がするのです」と答えていますから、正答はcで間違いないようです。nauseaは胸のムカムカする状態を指す名詞です。
発音も出題されることがありますから、確認しておきましょう。 pause「一瞬動きを止める」やAugust「8月」と同じで、オーと伸ばします。
A②: Did you actually throw up?
先生が「実際に吐きましたか?」と尋ね、吐き気だけなのか嘔吐も伴ったのかを確認しています。
ここで、actuallyという助動詞についてもう少し。「実際にやった」という意味で頻出します。一瞬似ていますが、hardlyやbarelyだと「ほとんど出来なかった」とまったく意味が異なりますので、まとめて覚えましょう。
★I could hardly hear you.
または
★I could barely hear you.
だと「あなたの声は少しだけしか聞こえなかったよ」という否定的な意味なのに対して
★I could actually hear you.
だと、「(あなたの声はとても小さかったけど、自分でも驚いたことに)ちゃんと聞こえましたよ」という肯定的な文になります。
B②: Yes, a few times.
「はい。数回(吐きました)」
Yes, I did throw up a few times.の略ですね。
この後の会話はお医者さんが
★Let me take a look. Open up your mouth.「診てみましょうね。はい、お口を開けて」
と続くと思われます。