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医学部合格応援団!英語で満点を取るための演習ブログ

ロンドンから月水金更新。英検1級の公認会計士が、入試でよく出る英文法や単語を詳しく解説しています。

藤田保健衛生大学の予想問題 ー ケネディ大統領のスピーチの解説 4/6

出張が1日ずれて、福岡行きの飛行機の中でこの記事を書いています。眼下は雪山がきれいです。暑い日本の夏が耐えられずロンドンに住んでいますが、冬は空気が凛と冷えていいですね。

ロンドン単身赴任が終わって息子が医学部に入ったら、軽井沢か札幌で引退する予定です。人生、何か楽しみがないとね。

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それでは、問3と問4の解答・解説を書きます。

This is a  7 (                           ) pace, and such a pace cannot help but create new ills as it dispels old, new ignorance, new problems, new dangers.

So it is not surprising that some would have us stay where we are a little longer to rest, to wait. But this city of Houston, this State of Texas, this country of the United States was not built  8 by those who waited and rested and wished to look behind them. This country was conquered by those who moved forward--and so will space. 

 

3.英文の空所 7に該当する英単語を選択肢から選び、アルファベットで答えなさい。

a. breath-taking

 

4.下線部8by those whoと同じ意味でないものを次の選択肢から選び、アルファベットで答えなさい。

a. by the astronauts who

 

最初から予想問題にチャレンジされたい方は、こちらへどうぞ。

medicpress-harada.hatenablog.com

 ではいつも通り、1文ずつ見てみましょう。前回までの話では、いかにここ近年人類が長足の科学的進歩を遂げてきたのかについて力説していました。よって空所7には「とても速い」または「驚異的な」といった形容詞が入ることが予測できます。

 

★This is a  7 (           Z           ) pace, /「これはとてもZなペースで」

and such a pace cannot help but create new ills 「このようなペースは新たな問題を引き起こさずにはいられない」

/ as it dispels old, new ignorance, new problems, new dangers. /「ちょうど速いペースによって、新旧の無知や新しい問題や新しい危険が消し去られるように」

 

空所7の選択肢は、以下のとおりでした。

a.   breath-taking

b. slow

c. solid

d. mind-boggling

 

Zに該当する選択肢としては、まず「遅い」slowや「堅実な」solidが消えますね。breath-takingは「思わず息を飲むような」「驚異的な」で、mind-bogglingもほぼ同じ意味です。ただしmind-bogglingは元々が「脳みそをかき回すような」という綴りで、ずっと俗語っぽい言い方です。大統領のスピーチということで格調高くある必要がありますので、答えはaです。

 

さて、この文にはいくつか難しい用法があるので、見てみましょう。まずはcannot help but~から。これはイディオムで、~の部分には動詞の原型が入ります。「~をせずにはいられない」という少し硬い言い方です。

★Unless you improve your service quality, we cannot help but reconsider our contract with you. 「顧客サービスを改善していただかないと、御社との取引は考え直さざるを得ません」

のような使い方をします。reconsiderはthink twiceでもいいです。どちらも「考え直す」「ためらう」という動詞です。considerをre(再度という接続辞でしたね)したり、考えるthinkを二度twiceしたりするということは、つまり迷うということです。

 

次はillsです。illは通常、

★James fell ill. 「ジェームズは病気になった」

などといった文章で「病を得た(状態になった)」という意味の形容詞で使うことが多いですが、ここではillsと複数形になっています。つまり名詞なのですね。「問題」「頭痛の種」といった意味で使う際は、いつも複数形です。

つまりケネディ大統領は、進歩のペースが速すぎるため、ここれまでになかったような新たな問題が引き起こされると警告しているのです。

 

dispelも見かけない単語ですね。dispel+目的語Aで、「Aを強制的に消す」「Aを消去する」という意味です。「目の前からなくなる」という動詞、disappearに似ていますが、こちらは主語に当たる物が消えるイメージ。一方dispelはもっと「力を用いて(無理にでも)Aを消し去る」という意味合いが強い言葉です。

 

★Surely /「もちろんのこと」

the opening vistas of space promise high costs and hardships, /「宇宙への扉を開けることには多額の費用と多大な困難が伴います」

as well as high reward.「高い報酬も」 

 

ちょっと長いですが、動詞は「約束する」「必ず~する」のpromiseです。少しトーンを変えて、困難は必ずあるけどそれでも宇宙に行く価値はあるんだよ、という風に話を変えようとしています。vistaはウィンドウズが商品名に使っていましたが、名詞で「快い光景」という意味です。ここでは宇宙への扉と意訳しました。

 

ここから、大統領のスピーチはあらためて熱を帯びます。

★So it is not surprising that /「よって、that以下は驚くに値しません」

some would have us stay /「人によっては、我々を押し留めようとすることは」

where we are a little longer /「今いるところにほんの少し長く」

to rest, to wait. 「ただ休み、そして待つために」

 

ここでケネディ大統領は、現状維持でよしとする人々を批判しています。have us stayは

★have + 目的語 A+ 動詞の原型B =Aに無理やりBさせる

という使役形の言い方です。willの過去形wouldも、「意思をもって~させる」という助動詞です。よく出る文章で、

★The stone would not move no matter how much I tried to push.「どれだけ力をこめて押しても、その石はびくともしなかった」

といった場合に出ますね。

 

★But this city of Houston, /「しかしこのヒューストンという街は」

this State of Texas, 「このテキサス州は」

this country of the United States 「このアメリカ合衆国は」

was not built  「建国されたのではない」

8 by those who waited and rested and wished to look behind them. 「待ったり、休んだり、過去を振り返ることを好むような人々によって」

 

主語がヒューストン・テキサス・アメリカ合衆国と3段階にあって、しかもどんどん規模が大きくなっています。ケネディ大統領は盛り上げ上手で、こういう言い回しを好みました。スピーチの前の方でも、hour, month, ageなどと規模を拡大する話し方で聴衆を魅了していましたね。

 

さて、下線部8は以下のような問題でした。

4.下線部8by those whoと同じ意味でないものを次の選択肢から選び、アルファベットで答えなさい。

a. by the astronauts who

b. by the people who

c. by the ancestors who 

d. by the Americans who

 

選択肢b, c, dでは基本的に同じことを言っていますね。アメリカの建国の話ですから、人々peopleでも祖先ancestorsでもアメリカ人Americansでもいいわけです。ただしaのastronautsは「宇宙飛行士」という名詞です。アメリカはこの段階で、まだ宇宙には行けていません(ソ連ガガーリンを真似て宇宙飛行士をロケットに乗せはしたのですが、失敗して恥をかいたばかりでした)。問いはby those whoに該当しないものを選ぶように言っていますから、正解はaです。

 

さて最後です。

★This country was conquered / 「この国は征服されたのだ」

by those who moved forward「前に進む人々によって」

-- and so will space. 「そして宇宙もきっと(そのような人々によって征服されるだろう)」

 

さて、ここで問題です。and so will spaceという文章をフルで書くとどうなるでしょう?

★ and the space will also be conquered by those who move forward

です。または

★and those who move forward will conquer the space

でもよいです。

 

スピーチにはand so will spaceしか残っておらず、soに「そうなるだろう」といういろいろな意味を含めています。主語となるべきthose who move forwardが落ちて、その影響でwillが前に出て主語と倒置文になっています。英語ではこういうふうに助動詞が前にポンと出ることは、けっこうあります。

★”I don’t really like Kate.” “Neither do I !”

「ケイトのこと、あんまり好きじゃないんだよね」「うん、私も(好きじゃない)」なども一例ですね。この文でもNeitherが前に出たせいで、主語と動詞がひっくり返っています。よく出る構文ですから、気をつけましょう。Neither do I.を別の言い方で書くと?もちろん

★I don’t like her either.

ですね!最初の文では、not +eitherがひっついてneitherになっています。