医学部合格応援団◇息子のための英文法演習ブログ

ロンドン単身赴任の米国公認会計士が、息子のために医学部受験向けに英語を解説しています。

日大医学部の予想問題 ─ 用語解説

今年から日大は質問が全部英文になりましたが、形式は各問同じで、「xx個の文からなる以下の英文を読み、その内容から設問に答えなさい」というものでした。今回の予想問題は、中国がカルフェンタニルという麻薬の規制を進めているというAP通信のニュース記事から13個の文を抜粋しました。

長文読解ではまず、例題の長さを確認しましょう。次に、ヒントとして解説してある英単語から、本文の内容を類推するのでしたね。日大はこの単語の説明も英語なのでしゅんとしてしまいますが、それでもヒントにはなります。

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loophole = an ambiguity or inadequacy in the law or a set of rules

オックスフォード大学監修の英英辞典ではなにか小難しい説明がついていますが、holeがヒントです。これは「穴」という名詞ですね。

・「あいまいさ」ambiguity

・「不適切な点」inadequacy

・「法律またはルールにおける」in the law or set of rules

という説明文をまとめると、loopholeは「法律などの抜け穴」という意味です。かなりよく見かける単語ですから、しっかり覚えましょう。

 

epidemic = a widespread occurrence of an infectious disease in a community at a particular time

epidemicやpandemicは、医学部受験生は外せない単語です。ともに「(感染症などよからぬものの)爆発的拡大」を指します。英英辞典の説明でもa widespread occurrence「広がった発生」、of an infectious disease「感染症の」、in a community「あるコミュニティにおける」、at a particular time「一定の時期における」とあります。

epidemicとpandemicの違いは、感染の範囲によります。上記の通り、epidemicは特定の一地域における感染を指すのに対し、pandemicは昔の黒死病のような数千万人規模で死者が出るような世界的な疫病を指します。

ここまでで「抜け穴関連ということは、規制について書いてある?」「例文は何か感染症に関するものかも」と予想できると、ぐっと気持ちが楽になります。

 

★fentanyl = a potent, synthetic opioid pain medication with a rapid onset and short duration of action

ここでは、麻薬成分フェンタニルの説明をしています。potentは名詞potential「能力・ポテンシャル」に通じる形容詞で、「強力な」という意味の形容詞です。strongやpowerfulと同じ意味が、「効き目のある」という意味合いが強いです。

syntheticは「合成の」という形容詞。洋服のタグなどで見かけるsynthetic leatherは、合成皮革という意味です。

opioidもめったに見かけない単語ですが、大麻がopiumと知っている方はそこから類推できるかもしれません。麻薬のことです。これは大事な単語なので、下でもあらためて説明しました。

その次の単語がpain medicationで「鎮痛剤」ですから、例題は薬の話かな?と気づいてください。

rapid onsetのrapidは、形容詞speedyと同じで、「スピードのある」という意味です。onsetはセットにオンする、転じて「効果が出た状態」という意味の名詞でたとえばearly onset of Alzheimer’sというと「若年性アルツハイマー」です。

durationは「期間」を指しperiodと同じ意味で使われています。periodがある一定の期間(数ヶ月など)を指すのに対し、durationは通常もっと短いです。endureというと「一定期間、がまんする」という動詞です。

まとめると、「フェンタニルとは強力な合成麻薬で、即効性はあるが効用は短い鎮痛剤だ」という説明でした。

 

★opioid = a substance that produces a morphine-like effect

オピオイドモルヒネのような効果をもたらす物質」、つまり合成麻薬です。

substanceは「物質」という名詞ですが、麻薬などよからぬ物質を指すことが多いです。ハリウッド俳優やロック歌手などは、よくsubstance abuseやoverdoseという死因で亡くなります。これらはともに「麻薬の乱用」という意味です。リバー・フェニックス尾崎豊、最近では米ドラマgleeの主役もsubstance abuseで急死してしまいました。 

31歳で世を去った『Glee』主役、コリー・モンティスの悲劇 | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 

★proliferation = a rapid and often excessive spread or increase

またrapidが出ました。excessが「余分な」という形容詞で、excessiveは「過剰な」という意味。proliferationは「急速で時に過剰な広がりまたは増加」という意味の単語です。書ける必要はないかと思いますが、新聞記事や論文などまじめな文章ではよく目にする単語ですので、知っておいてください。

 

予想問題本体はこちらです。

medicpress-harada.hatenablog.com

それでは、1文ずつの解説は明日また!