医学部合格応援団◇息子のための英文法演習ブログ

ロンドン単身赴任の米国公認会計士が、息子のために医学部受験向けに英語を解説しています。

長文読解問題 ─ 統計を含む記事のヒント

統計数字の入った医学部予想問題は、Wall Street Journalの「市況と世界経済の成長率に乖離」という記事からの出題でした。経済開発機構OECDが資産バブルを懸念しているという内容です。

“Disconnect” Between Markets, Growth

Recent rises have pushed prices of U.S. stocks and other assets 1. out of line with expected rates of economic growth, 2. threaten to weaken or derail an already modest recovery if they reverse, the Organization for Economic Cooperation and Development warned.

The Dow Jones Industrial Average is up more than 23% over the last 12 month, with almost half of that gain coming in the last three months. But 2016 was a disappointing year for the U.S. and the global economy, and 3. the Paris-based research body doesn’t expect 2017 to be a great deal stronger.

“There is no real foundation yet to support what we have seen in the equity markets in particular,” said Catherine Mann, the OECD’s chief economist. “At some point, the markets are going to 4. come back down to earth and we will see what kinds of vulnerabilities that 5. reveal.”

The OECD said it was worried by debts accumulated over recent years as market interest rates are rising.

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長文読解は、以下の要領で解くのでしたね。

★まず本文の長さをざっと確認する

これは敵を知るため。この文は短めですから、それだけで気持ちが楽になります。数字が出ているのを見て「きっと統計に関する問題が出るな」と当たりをつけてください。

 

★解説してある単語があればチラ見して、何について書いてある文章かを予測する

これは、少しでもヒントを得るため。今回は短めで平易な文章のため、単語の解説はありません。

 

★問題文を読んで選択肢をざっと確認してから、本文を読み始める

同上。問題文については、下で詳しく見ていきます。問題は8問で、最後の問題が配点が20点と大きいです。

 

★本文は各パラグラフの最初の文だけ、まず全部読む

こうすれば、話の半分は分かります。起承転結がありそうか、途中で大きく話が変わるか否かなどに注目しましょう。

今回は単純な経済記事なのでこういうことはありませんが、最初の文だけさらっと読むのは効果的です。全体を読むのの半分の量で、かつだいたいの主題などのヒントが得られます。

 

では、問題文を見てみましょう。本文を読まずに解けそうなものもありますから、大事なステップです。

Q1. Regarding the underline 1, write down a phrase with a similar meaning.

下線部1について、似た表現を書きなさいという問題です。out of line with~というイディオムを見たことがなくても、文字通り「ラインから外れる」、つまり「with以下の~から外れて」という意味かなと予想できると、実際に本文を読む時にも役に立ちます。

 

Q2. Regarding the underline 2, change the verb “threat” to the correct form.

下線部2の動詞threatenについて、正しい形に直せという問題です。

threatenは「~に脅威を与える」「~を脅かす」というぶっそうな動詞。この文は動詞がいくつも出て来るので、どれが主文でどれが修飾節に過ぎない従文か、見極める必要があります。

 

Q3. How much did the Down Jones Industrial Average rise in the past three months?

ひっかけ問題です。過去3ヶ月でダウ平均株価はどのぐらい上昇したかを聞いていますが、本文中には、直接答えはありませんから気をつけてくださいね。

 

Q4. According to OECD, what was the state of the world economy in 2016?

OECDによると、2016年の世界経済はどのような状態だったかと聞いています。第2段落の第2文に答えがあります。自力で見つけられましたか?

 

Q5. Regarding the underline 3, what does the Paris-based research body refer to?

下線部3の「パリに拠点のある研究団体」は何を指すか、答えさせる問題です。この記事はOECDの懸念に関するものですから、答えはOECDです。

英語の文では、たとえばアメリカ政府のことをU.S. governmentという書き出しで始め、同じ記事でWashingtonと言い換えるなど、同じ物事を指すのにわざわざ違う書き方をすることがよくあります。これは日本語にはない特徴なので、注意しましょう。

 

Q6. Regarding the underline 4, write down a phrase with a similar meaning.

下線部4のcome back down to earthの言い換え問題です。これは特にイディオムというほどよく使う言い方ではないです。その分、本文の意味が分かっていないと解けない問題です。

 

Q7. Regarding the underline 5, write a noun with a similar meaning to “vulnerabilities”.

下線部5の名詞vulnerabilitiesの同義語を書けという問題です。vulnerabilitiesは単数形がvulnerabilityという名詞です。もともとはvulnerableという形容詞で、「(弱くて)~に影響を受けやすい」という意味です。

 

Q8. Regarding the underline 6, change the verb “reveal” to the correct form.

下線部6の動詞revealについて、正しい形に直せという問題です。

revealはヴェールを剥ぐというのが元の意味で、「~をあらわにする」という意味で使われます。主語がどれか紛らわしいですが、分かりましたか?主語が複数形か単数形かさらに3単現かで、動詞の形が変わります。

 

Q9. What are the two worries the OECD has according to the article? (20 points)

この記事によると、OECDが懸念している点を2つ挙げると何かという問題です。配点が大きいのは、本文全体を読まないと答えられないこと、また答えが全く違う場所に離れてあることによります。

 

解答と記事の解説は、また明日書きますね。