医学部合格応援団◇息子のための英文法演習ブログ

ロンドン単身赴任の米国公認会計士が、息子のために医学部受験向けに英語を解説しています。

東邦大学医学部の予想問題 ─ 経済ニュース記事の解説 1/3

東邦大医学部の予想問題は、けっこうな分量で読むだけで疲れましたね。今日はQ1の答えと、なぜ他の選択肢が誤りなのかを書きます。赤字が正答です。予想問題本文はこちらです。

medicpress-harada.hatenablog.com

Q1は、下線部Aと似た語句を選ぶ問題でした。

A-1: fluctuations= 名詞「変動」

  1. supplements いわゆる「食品サプリ」を指します。まれに「補完するもの」という意味でも使われます。
  2. movements 動詞fluctuateは上下するという意味なので、moveの名詞形です。movementsでもかなり意味は近いです。でもvulnerabilitiesの方が、上下にふらふらとする様子を適切に表します。
  3. vulnerabilities 前回の統計を含む長文で解説しました。不安定に動くさまを指す名詞です。
  4. substantiations 「実証する」という動詞substantiateの名詞形です。

 

A-2: cautious = 形容詞「慎重な」

  1. careful 「注意を払って」という意味の基本的な形容詞ですね。cautiousの方が少し固い感じのする言い方ですが、ほぼ同義です。
  2. dangerous 「危険な」という形容詞なので、的外れです。
  3. malicious 「悪意のある」という形容詞なので、違います。これは結構よく聞く単語なので、意味は知っておいてください。
  4. complementary 「無料の」という意味の形容詞です。

 

お店が何かサービスで出す場合、お店の人は

★This is on us.

★It’s free.

★This is complimentary.

と言うことで「無料ですよ、どうぞ」という意味を伝えます。海外のホテルなどで部屋にミネラル・ウォーターやお菓子が置いてあり、With complimentsやCompliments from usとメッセージがあれば「ご自由にお召しあがりください」という意味です。

 

A-3: Owing to ~ = ~だから owe X to Yで「YにXを借りている」「YはXのせいだ」という言い方です。Owing to Xで「Xが原因で」という意味ですが、書き言葉限定でかつ良い話でなく悪い話の時に使います。そういう意味ではDue to~と同じ用法です。

  1. Despite of 「~にも関わらず」という重要イディオム。全く反対の意味なので違います。
  2. In relation to 「~に関連して」。Relating toやWith regards toも同じ意味です。しっかり覚えてください。
  3. Thanks to 「~のおかげで」。記事は、中国で採用抑制が起きているという暗めのトーンです。暗いニュースの原因となっている事柄を挙げるのに、thanks toではおかしいですね。
  4. Because of 「~が原因で」という意味で、これが正解です。

 

A-4: margins 名詞「利益幅」。競合などにより利益率が圧迫されている時はslimming marginsやmargin squeezeなどと言います。squeezeは「絞る」という動詞です。

  1. receipts いわゆる「レシート」「受け取り」です。
  2. profits 名詞「利益」で、4つの選択肢の中ではもっともmarginに意味が近いです。利益幅」という時は、ただのmarginではなくprofit marginということも多いです。
  3. payments これは上記aと正反対で、「支払い」ですね。
  4. monies お金moneyの複数形。通常moneyは数えられない名詞扱いですが、「金銭という形」という意味で使う場合はまれに複数形となります。ただmarginの意味により近いのは、profitsです。

 

A-5: scaling back 動詞「減らす」

  1. increasing 「増やす」という動詞 increaseの活用
  2. maintaining 「維持する」という動詞 maintainの活用
  3. reducing 「減らす」という動詞 reduceの活用で、これが正解です。
  4. exploring 「探検する」「可能性を探る」という動詞  exploreの活用。語尾のeが落ちてingを付けるので、気をつけましょう。

 

A-6: Multinational=形容詞「多国籍の」

  1. Insular 「島国根性の」という形容詞。日本人やイギリス人の気質を、大陸性ののんびりした気質を比較して言う際などに使います。
  2. Regional 「~地域の(例えばEUやアジア太平洋地区など)」という形容詞
  3. Global 「国際的な」という意味の形容詞で、これが正解です。international, global, multinational (またはmulti-national)はどれも意味が近いです。
  4. Stand-alone 「孤立した」という形容詞。alone「独りで」stand「立つ」から孤独なのです。

 

A-7: are expected to be leaner=よりスリムであることを期待されている

  1. will need to work faster 「もっと速く働く必要がある」
  2. will not need to change  「変化する必要がある」
  3. will need to reduce headcount 「従業員数を減らす必要がある」
  4. will need to maintain the number of employees 「従業員数を維持する必要がある」

leanというのは「痩せている」という意味の形容詞です。それが比較級 leanerなので、組織としてよりスリムであることを期待されている、つまり人を減らして効率を上げることが求められているのです。

名詞headcountはQ2でも出題しました。字面そのもので「頭数」のことです。通常、従業員数を指します。Q2とQ3の解説は、また明日書きます。 

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日本出張から戻り、帰宅時間が少し早くなりました。出張中はフィールドワークに期限があるので夜8時9時と遅くなりがちですが、ロンドンオフィスでは夕方5時定時に3分の1ほどの同僚が帰り、6時にまた3分の1ほどが帰る感じです。残業は決して奨励されていません。労働党が政権を取っているぐらいだから、労組が強いのかもしれません。

私も夕方6時には出るようにしていて、今日はまだ外が明るくてびっくりしました。年末にイギリス北部のエジンバラに出張していた時は、3時ですでに真っ暗でした。たった2ヶ月半で、こんなに日の長さが変わるとは…。

今月末にはサマータイムになるので、日本との時差が8時間に短縮されます。子供たちとのビデオ通話が、もう少しやりやすくなるかと期待しています。