東邦大学医学部の予想問題 ─ 経済ニュース記事の解説 1/3
東邦大医学部の予想問題は、けっこうな分量で読むだけで疲れましたね。今日はQ1の答えと、なぜ他の選択肢が誤りなのかを書きます。赤字が正答です。予想問題本文はこちらです。
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Q1は、下線部Aと似た語句を選ぶ問題でした。
A-1: fluctuations= 名詞「変動」
- supplements いわゆる「食品サプリ」を指します。まれに「補完するもの」という意味でも使われます。
- movements 動詞fluctuateは上下するという意味なので、moveの名詞形です。movementsでもかなり意味は近いです。でもvulnerabilitiesの方が、上下にふらふらとする様子を適切に表します。
- vulnerabilities 前回の統計を含む長文で解説しました。不安定に動くさまを指す名詞です。
- substantiations 「実証する」という動詞substantiateの名詞形です。
A-2: cautious = 形容詞「慎重な」
- careful 「注意を払って」という意味の基本的な形容詞ですね。cautiousの方が少し固い感じのする言い方ですが、ほぼ同義です。
- dangerous 「危険な」という形容詞なので、的外れです。
- malicious 「悪意のある」という形容詞なので、違います。これは結構よく聞く単語なので、意味は知っておいてください。
- complementary 「無料の」という意味の形容詞です。
お店が何かサービスで出す場合、お店の人は
★This is on us.
★It’s free.
★This is complimentary.
と言うことで「無料ですよ、どうぞ」という意味を伝えます。海外のホテルなどで部屋にミネラル・ウォーターやお菓子が置いてあり、With complimentsやCompliments from usとメッセージがあれば「ご自由にお召しあがりください」という意味です。
A-3: Owing to ~ = ~だから owe X to Yで「YにXを借りている」「YはXのせいだ」という言い方です。Owing to Xで「Xが原因で」という意味ですが、書き言葉限定でかつ良い話でなく悪い話の時に使います。そういう意味ではDue to~と同じ用法です。
- Despite of 「~にも関わらず」という重要イディオム。全く反対の意味なので違います。
- In relation to 「~に関連して」。Relating toやWith regards toも同じ意味です。しっかり覚えてください。
- Thanks to 「~のおかげで」。記事は、中国で採用抑制が起きているという暗めのトーンです。暗いニュースの原因となっている事柄を挙げるのに、thanks toではおかしいですね。
- Because of 「~が原因で」という意味で、これが正解です。
A-4: margins = 名詞「利益幅」。競合などにより利益率が圧迫されている時はslimming marginsやmargin squeezeなどと言います。squeezeは「絞る」という動詞です。
- receipts いわゆる「レシート」「受け取り」です。
- profits 名詞「利益」で、4つの選択肢の中ではもっともmarginに意味が近いです。利益幅」という時は、ただのmarginではなくprofit marginということも多いです。
- payments これは上記aと正反対で、「支払い」ですね。
- monies お金moneyの複数形。通常moneyは数えられない名詞扱いですが、「金銭という形」という意味で使う場合はまれに複数形となります。ただmarginの意味により近いのは、profitsです。
A-5: scaling back = 動詞「減らす」
- increasing 「増やす」という動詞 increaseの活用
- maintaining 「維持する」という動詞 maintainの活用
- reducing 「減らす」という動詞 reduceの活用で、これが正解です。
- exploring 「探検する」「可能性を探る」という動詞 exploreの活用。語尾のeが落ちてingを付けるので、気をつけましょう。
A-6: Multinational=形容詞「多国籍の」
- Insular 「島国根性の」という形容詞。日本人やイギリス人の気質を、大陸性ののんびりした気質を比較して言う際などに使います。
- Regional 「~地域の(例えばEUやアジア太平洋地区など)」という形容詞
- Global 「国際的な」という意味の形容詞で、これが正解です。international, global, multinational (またはmulti-national)はどれも意味が近いです。
- Stand-alone 「孤立した」という形容詞。alone「独りで」stand「立つ」から孤独なのです。
A-7: are expected to be leaner=よりスリムであることを期待されている
- will need to work faster 「もっと速く働く必要がある」
- will not need to change 「変化する必要がある」
- will need to reduce headcount 「従業員数を減らす必要がある」
- will need to maintain the number of employees 「従業員数を維持する必要がある」
leanというのは「痩せている」という意味の形容詞です。それが比較級 leanerなので、組織としてよりスリムであることを期待されている、つまり人を減らして効率を上げることが求められているのです。
名詞headcountはQ2でも出題しました。字面そのもので「頭数」のことです。通常、従業員数を指します。Q2とQ3の解説は、また明日書きます。
日本出張から戻り、帰宅時間が少し早くなりました。出張中はフィールドワークに期限があるので夜8時9時と遅くなりがちですが、ロンドンオフィスでは夕方5時定時に3分の1ほどの同僚が帰り、6時にまた3分の1ほどが帰る感じです。残業は決して奨励されていません。労働党が政権を取っているぐらいだから、労組が強いのかもしれません。
私も夕方6時には出るようにしていて、今日はまだ外が明るくてびっくりしました。年末にイギリス北部のエジンバラに出張していた時は、3時ですでに真っ暗でした。たった2ヶ月半で、こんなに日の長さが変わるとは…。
今月末にはサマータイムになるので、日本との時差が8時間に短縮されます。子供たちとのビデオ通話が、もう少しやりやすくなるかと期待しています。