医学部合格応援団◇息子のための英文法演習ブログ

ロンドン単身赴任の米国公認会計士が、息子のために医学部受験向けに英語を解説しています。

慶応大学医学部の予想問題 — スポーツ系記事の解説 3/4

今日は、第2段落の続きです。慶応大学の予想問題本文はこちらでした。

medicpress-harada.hatenablog.com

第2段落の続き

★Featuring (B-2) experienced  drivers, / 経験豊かなドライバーを揃え、

such as Mahindra Racing Formula E Team’s Nick Heidfeld / マヒンドラ・レーシング・フォーミュラEチームのニック・ハイドフェルドなど

– who has completed in 185 Formula One Grand Prix races – / このニックはF1グランプリで185度も完走しているのだが

the series puts teams to the test on challenging city circuits. / フォーミュラEは参加チームに、難しいシティ・サーキットに挑むよう求めている。

下線部B-2は動詞experienceを正しい形に直すという問題でした。「経験豊かな」ドライバーという風にに形容詞として使いたいので、答えはexperiencedです。

F1は、1回完走するとドライバーは5kgも体重が減るといわれる激しいレースです。それを185回も完走したハイドフェルドはすごいですね。ただしこの部分は「-」で区切ってあるただの修飾節なので、挿入に過ぎません。たいした意味は持ちませんので、いつも通りグレーにしてあります。速読のためには、実際に英文を読む際もこういう修飾節は( )に入れるなどして、気をそらさない注意が必要です。

 

この文章の主語は、最後にあるthe seriesで、述語はputsです。put A to the test on Bはイディオムで「BするようAに求める」「AがBできるかテストする」という意味です。

challengeは「挑む」という動詞、かつ「挑戦」という名詞ですね。日本語でもよく使います。challengingという形容詞になると、「挑戦しがいのある」「難易度の高い」という意味になります。フォーミュラEはF1のように決められたコースを数10周というレースではなく、都市の中(たとえば首都高など)を飛ばすレースなので、また違った難しさがあるようです。

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3段落

 ★(3) Since  its inception in 2014, / 2014年の初開催以来、

Formula E has been the catalyst / フォーミュラEはfor以下のカタリストとなってきた。

for much of the technology / テクノロジーの大部分の

 (B-3) seen  in everyday electric vehicles. / (そのテクノロジーは)今日の電気自動車に見られる 

空欄(3)の前置詞補充は、簡単でした。たまにはこういうボーナス問題もないとね。「過去のある時点以来ずっと~」というのは前置詞です。sinceの後に文章が入る場合は、必ず過去形になるという点に注意しましょう。とてもよく出題されます。例えば「学校から帰って以来、パメラはずっと部屋に閉じこもっている」という文は以下のように書きます。

◎: Pamela has not left room since she came back from school.

X: Pamela has not left room since she is back from school.

 

動詞seeを正しい形に直す下線部B-3は、ぐっと難易度が上がりました。ただのseenが正解です。これをフルで書くとmuch of the technology that is being seen in…となります。that is beingがごっそり省略されているので難しいのです。

他の選択肢にはsaw, has been seeing, have seenを挙げていました。これらだと、「電気自動車の中に見られるテクノロジー」という受動態が表現できません。

もし完了形のhas been seenを選択肢に入れていたら、もっと迷った受験生がいたかもしれません。でもこれも誤りです。なぜかというと、everyday electric vehiclesが今日の電気自動車という現在時点の自動車を指すからです。

今の自動車は、すでにこのテクノロジーを搭載しています。つまりEveryday electric vehicles has the technology.という現在形の文章が元ですから、これが見られるのも「今」です。よってtechnology that is being seenは正しく、technology that has been seenは誤りなのです。

 

★The (A-2) cars'  batteries can deliver 200kw of power / 自動車のバッテリーは200kwのパワーを出せ

– equivalent to 270mph – / これは時速270キロマイルに相当するのだが

and can accelerate from standing to over 60mph / 停止状態から時速60キロマイルに加速できる

in three seconds. / ものの3秒で

ここでも余計な修飾句はグレーにしました。equivalent toはequal toと同じ意味です。両方きちんと書けるようになっておきましょう。

 

★In the (A-3) space  of three seasons, / 3シーズンの間に

the teams (B-4) have gone  / 参加チームはfromからtoに進化した。

from using a standardised system to developing power trains and cars, / システムの標準化からパワーのある列車や自動車を開発するまでに

such as the Mahindra M3Electro racing car./ たとえばマヒンドラ M3 エレクトロ・レーシング・カーのような

下線部A-3が合っていた人は、相当力があります。なぜなら選択肢にいくつも紛らわしいのを入れたからです。periodとかtimeとかね。

in the space of 〜 = for a period of 〜 = 〜の期間に

です。期間を表すのにtimeは使いません!意外だけどね。フォーミュラEは2014年スタートですから、もう3シーズンが過ぎたわけです。

 

下線部B-4は、動詞goを正しい形にするという問題でした。正解はhave goneですが、これも正答率は相当低かったと思います。引っかかるポイントがいくつもありますから。

  • まずgoに「発展する」という意味があると類推できないと、文の意味が分からない
  • 3シーズンでfromからtoに行ったという点、かつ文頭In the space ofから、現在完了形と気づく必要あり
  • 主語がteamsなので、hasではなくhaveにする必要あり
  • go - went - goneという不規則活用を知っていないといけない

などなど。選択肢じゃなくて書かせたら、相当の上級者しか正答しなかったと思いますので、もし出来た!という人は自信を持ってくださいね。

明日はいよいよ慶応編の最終回です。