医学部合格応援団◇息子のための英文法演習ブログ

ロンドン単身赴任の米国公認会計士が、息子のために医学部受験向けに英語を解説しています。

怒りは大きなパワーになる

1月に始めたこのブログ、2つ目の記事は「英語は好きになったら伸びやすい」という内容でした。好きこそものの上手なれ、ですね。

ただこの記事の3点目に書いたのですが、怒りを燃料にすることで英語ができるようになるのも事実です。私の場合も腹を立てる機会が多く、今思えば言いたいことを言えない悔しさをバネに大きく英語力が伸びました。

medicpress-harada.hatenablog.com

私の母校ICUは、入学後に勉強が大変な大学として知られています。まず入学式の午後に英語及び学力試験があり、全新入生がAからYまで能力別に振り分けられます。ここで決めたセクション単位で、1・2年次は英語教育を受けます。他の大学のゼミ仲間に似ています。

少人数教育が売りですから、1セクションは15人ほど。私は一番上のセクションYだったので、同じクラスにいたのは、東大を落ちた人か帰国子女ばかりでした。試験では英語の比重が大きいため、英語ペラペラの帰国子女が上のセクションに入る傾向があると思います。

日本で育って東大を受けたような学生に比べると、セクションYの帰国子女の中身は???なケースもままあるのですが、英会話やディベートのクラスでは輝きます。文法の正確さと同じかそれ以上に、話す声量やみなぎる自信が「通じる英語」の鍵なのだというのは、強烈な体験でした。

自分の方が学力は上なのに、帰国子女の英語力からは大きく劣るわけです。これにはムカッとしました。だから徹底的に真似ていたら、あっという間にそれっぽく英語が喋れるようになりました。

★Hey, how's it going? It's been some time.  おぉ久しぶり!元気だった?

★Yeah, can't complain.  Still alive.  まあまあだよ。なんとか生きてる

など、教科書には載っていなくてもよく使う表現ですね。

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ICU卒業後は、オーストラリアで大学院に行きました。が、ここはなんとも緩い国で、とにかくミスが多いです。レストランや航空チケットなどを予約しても、取れていないことはしばしば。「3日で配達します」といって届いたためしがない。とにかく約束が守れません。税務署すら毎回、計算を間違えます。

必ずうまくいかないと思って過ごさないとこちらが参ってしまういい加減さですが、日本人だからおとなしく泣き寝入りすると思われるわけにはいきません。言うべき抗議は言わないと。理路整然と相手をやり込める力は、外部とコンタクトを取る度にかける必要のあったこのクレーム電話で身につけました。

★What do you mean that you do not have it on your record?  私どもの記録にはございませんって、どういうことですか?

★Let me talk to your manager.  責任者を出しなさい

とか。

誰でも間違えて当たり前、というのが前提の国ですからたいていのことは許しますが、お金が絡むとがぜんエキサイトします。しかも根底には「また間違えやがって」という怒りが渦巻いています。言いたい限りのことを言う、よい実地練習となりました。

 

社会に出て最初の就職先は監査法人。場所はシンガポールです。ここでは思わぬ反日感情に直面しました。シンガポールは人口の8割以上が中国系です。当時は大学が1つしかないような小国ですから、監査法人に勤める公認会計士たちはみなシンガポール大学卒です。国に1つしかない大学を卒業したというエリート意識に、中華系=一等市民だというプライドが綯い交ぜです。彼らがとにかく意地が悪かった…。

私が一緒にいても、ずっと中国語で話します。しかも、珍しくこちらを向いて英語で話したと思ったら「僕のおじいさんは日本兵に殺されたんだ」だって。知るかよ。うちのおじいさんは、2人とも戦争行ってないし。

監査法人は相撲部屋とも呼ばれる縦社会です。珍しく日本人が新卒&下っ端で入っているので、いじめてもいいと思ったのかもしれません。

ただ、黙ってやられている私ではありません。言いたいことが言えなかった夜は、怒りで眠れませんでした。どう言えば次は同じような屈辱を味合わずに済むか、ネットや辞書で調べあげ、怒りを元に完璧に覚えました

東京オフィスに異動するまで1年半の間、毎日が嫌でたまりませんでした。でも、無視する気にならないぐらい大きな声で話し、いくら嫌がらせを受けても動じない態度を貫きました。10年後に、年収10倍でシンガポールに再就職した時は気分良かったです。

 

英語は、世界で10億人が日常的に使うと言われる言語です。英語圏に生まれれば、当然のように話せるようになります。ただし、日本にいるとそういう環境にはありません。

ライバルを突き放すような点数を取るには、勉強量が鍵となります。教科書で読んだこと、先生が教えてくれた文法、このブログで読んだ試験で点数を積み上げるコツなど、無駄になることは1つもありません。勉強量と点数が比例するという合理性がいいですね。

何より英会話力の向上には、感情を込めて「これは言わなきゃ」という内容があると習得が早いです。必要は成功の母だ!