医学部合格応援団◆英語で満点取れますように

ロンドンから隔日更新。英検1級の公認会計士が、入試でよく出る英文法や単語を詳しく解説しています。

昭和大学医学部の予想問題 ─ アート系記事の解説 5/5

かなり親切な英語の長文読解問題を出す昭和大学医学部の予想問題、いよいよ最終回です。予想問題本文はこちらです。  

medicpress-harada.hatenablog.com

★Later, Mr. Durham and his accomplice, / その後、ダーハムとその共犯の

Henk Bieslijn, / ヘンク・ビースリンは、

contacted an Italian mobster*, / イタリアのマフィアに連絡を取った。

Raffaele Imperiale, / ラファエル・インペリアーレという

who at the time sold marijuana out of a “coffee shop” in Amsterdam. / その男は当時、アムステルダムの「コーヒーショップ」でマリファナを売っていた。

 

主文とそうでない文と、2つ動詞が入っています。主文の動詞は、強盗がマフィアにコンタクトを取ったというcontactedです。コンタクト・レンズでも分かる通り、contactは名詞で「接触」という意味です。これがそのまま動詞になって、「接触する」「コンタクトを取る」という意味になるのですね。

従文の方の動詞はというと、マフィアがアムステルダムマリファナを売っていたというsoldです。従文という形でなく書き直したら、An Italian mobster, Raffaele Imperiale, sold marijuana out of a coffee shop in Amsterdam at the time.となります。

at the timeという挿入句は、イディオムで「当時は」という意味です。挿入句は読むのの邪魔になるので、グレーで色を薄くしてあります。

 

コーヒーショップがわざわざ「 」書きになっている背景には、オランダの特殊事情があります。

ここは色々とゆるい国で、なんと売春が合法です。マリファナも記事が書かれた数年前は、コーヒーショップと呼ばれる小売店で売買する分には合法でした。さすがにコーヒーショップと麻薬目的の観光客が増えすぎて、少し規制を始めたようですが。

規制してもなくならないものは、規制にコストをかけるよりルールを守らせるという条件で合法化しようという理屈らしいです。まじめな日本人から見たら、この合理主義はちょっと不思議です。

 

★He agreed / 彼は合意した

to buy the two paintings / 2枚の絵を買うことに

in March 2003 / 2003年3月に

for around 350,000 euros (roughly $380,000), / 35万ユーロほどで(ほぼ38万米ドル、つまり4000万円強)で

divided equally between the thieves. / 泥棒はこれを等分した。

 

読み返して思いました。最初のHeは誰を指すか、という問題にしてもよかったですね。答えは、イタリアン・マフィアのインペリアーレです。簡単ですが、昭和大学医学部なら、このぐらい簡単かもしれません。

無知とは怖いですね。時価7000万ドルとも言われた絵画を、その1%にも満たない38万ドルで売り払ってしまいました。7000円の価値のあるゲームソフトを人生を賭けて盗んで、いじめっ子に38円で売った…。こう考えると、いかに阿呆な取引をしたかよく分かります。実際ダーハムは、この強奪事件のせいで2年以上服役していますからね。

 

★Last September, / 昨年9月

Italian investigators raided Mr. Imperiale’s mother’s home / イタリア警察はインペリアーレの母親宅を家宅捜索し、

near Naples, / ナポリの近くで

where the works were wrapped in cloth and tucked away / そこではゴッホの絵が布に包まれて突っ込まれていた

in a hidden wall space / 壁の中の隠し場所に

next to the kitchen. / 台所横の

 

raidは「急襲する」という動詞ですが、いわゆる「ガサ入れをする」といったニュアンスです。空爆air raidといいます。

ナポリはNaples、フィレンツェはFlorence、ベネチアはVenice、ローマはRomeと、英語風の綴りにされています。ですから、アメリカ人やイギリス人と話す時はこのように、現地の人に説明する場合は現地の呼び方でと使い分ける必要があります。

関係代名詞whereが出ています。the place whereの略ですが、the placeはどこを指すでしょうか?答えはmother's houseです。

 

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残りの設問は、この2つでした。

(4) 本文中の( い )に入る最も適切な語を次から1つ選び、記号で答えなさい。

  1. spotlights
  2. headlines
  3. attention
  4. models

(5) 次の中から本文の内容に合っているものを3つ選び、記号で答えなさい。

  1. Thieves did not take enough precautions to protect the valuable paintings and damaged one of them.
  2. Octave Durham stole the van Gogh paintings as he and his accomplice had targeted to steal them for their high values.
  3. Octave Durham and Henk Bieslijn stole van Gogh paintings and sold them to Raffaele Imperiale for a fair price.
  4. Henk Bieslijn’s proceed from the burglary was less than $180,000.
  5. Octave Durham is sorry for being a burglar and remorseful about his past as a thief.
  6. Octave Durham did not know the value of van Gogh paintings and stole them by chance.
  7. Octave Durham returned van Gogh paintings to the museum.
  8. The burglary took only a split second and burglars got away without being caught.

 

★The recovery of the works made global headlines. 名画が戻ったというニュースは、世界中で見出しを飾った。 

 

この下線部が問4の( い )でした。「見出しを飾る」というのは決まった言い方でmake a headlineです。世界中で大きく報道されたので、made global headlinesと複数形になっています。よって選択肢2のheadlinesが正解です。選択肢1のspotlightsと誤った人がいるかもしれませんね。

 

「注目された」という意味のイディオムなら、選択肢3のattentionを使って

  • XX caught people’s attention.
  • XX caught people’s eyes.

という言い方もできます。

 

最後の問5は、本番では採点の比重が高くなると思われます。内容が分かっていないと解けないからです。番号で答えると選択肢1・6・8が正解ですが、1つずつ見ていきましょう。

1. Thieves did not take enough precautions to protect the valuable paintings and damaged one of them. 泥棒たちは名画を守るのに十分に注意をしなかったので、そのうち1枚に傷をつけてしまった。

これは正解ですね。昨日やった箇所に、絵を盗んでロープから飛び降りた際に、海の風景画の方にヒビを入れてしまったとありました。

 

2. Octave Durham stole the van Gogh paintings as he and his accomplice had targeted to steal them for their high values. オクタヴ・ダーハムと共犯の男は、値段が高いだろうと目をつけていたゴッホの作品を盗んだ。

これも昨日の箇所で出ました。一度も売りに出されたことのない2作品を盗んだのは、手近にあった上一番小さかったからだと言っていました。よって誤りです。

 

この選択肢では、文法に気をつけましょう。昨日説明した大過去を使っています。

①現在から見て、絵を盗んだのは過去。

②そのさらに前に目をつけていたのは大過去。

③よってhad targetedとhad + 過去分詞の形を取る

という順序で理解するとよいです。

 

3. Octave Durham and Henk Bieslijn stole van Gogh paintings and sold them to Raffaele Imperiale for a fair price. オクタヴ・ダーハムとヘンク・ビースリンは、ゴッホの作品をラファエル・インペリアーレに適正価格で売った。

これは今日のところで出ました。時価の200分の1ぐらいの安値で叩き売っていましたので、これも誤りです。

 

4. Henk Bieslijn’s proceed from the burglary was less than $180,000. 強盗をしてヘンク・ビースリンが受け取ったのは、18万ドル以下だった。

先ほど見た通り、売値は38万ドルでした。ぴったり等分したとのことですから、半分は19万ドルです。よって、この選択肢は誤りです。

ドルで質問を出したのは、引っかけるためです。ユーロだと35万ユーロでしたから、半分は17.5万ユーロです。引っかかった人いるかな?

 

5. Octave Durham is sorry for being a burglar and remorseful about his past as a thief. オクタヴ・ダーハムは強盗であることを残念に思っており、泥棒としての過去を悔いている。

この記事の始まりは、ダーハムが「俺は生まれながらの強盗だ」とうそぶくセリフでした。つまり全く反省などしておらず、この選択肢は誤りです。

XXして残念だという言い方は、sorry for XX + ingとなります。前置詞は必ずforですので、間違えないようにしましょう。remorsefulは、深い後悔の念を表す名詞remorseの形容詞形です。

 

6. Octave Durham did not know the value of van Gogh paintings and stole them by chance. オクタヴ・ダーハムは盗んだゴッホ作品の価値を知らず、それらを盗んだのは偶然だった。

これも昨日解説しました。その通りなので正解です。これを選んだ人は、選択肢2は選びませんね。まったく逆のことを言っていますので。

by chanceは以前解説しました。「偶然に」という意味です。

長文読解問題 ─ 予防医学関連記事の解説 2/2 - 息子よ、英語満点なら医学部受験に有利だろ

「偶然」という名詞を使ってby coincidenceも同じ意味です。形容動詞だとcoincidentallyですね。

 

7. Octave Durham returned van Gogh paintings to the museum. オクタヴ・ダーハムは、ゴッホの絵を美術館に返却した。

そんなことは、一言も記事にはありませんでした。ダーハムは出所したらドキュメンタリーで犯行の模様を得々と話すような悪人で、こんな殊勝なことをするタマではありませんね。よってこの選択肢は誤りです。

 

8. The burglary took only a split second and burglars got away without being caught. 絵画の強奪は一瞬の出来事で、犯人は捕まらずに逃げた。

おととい解説した箇所に、駆けつけた警察を横目に悠々と名画を運び去る様子が描いてありました。よってこの選択肢も正解です。

a split secondはイディオムで「一瞬で」という意味です。前にinを付けることもあります。ダーハムによると犯行はたった3分40秒で終わったそうなので、十分に短いですね。

get awayは「逃げる」というイディオムで、withoutの後ろは必ず名詞または動名詞(つまりing形)が来ます。

 

昭和大学医学部は、文法問題の易しさなども尋常ではないです。医学部に入ると、世界で最も医学が進んでいるアメリカで書かれた論文を英語で読まないといけません。いまどき英語の出来ない学生を採りたがる医学部があるとは思えませんので、これは逆に「満点取らないと入れないよ」というメッセージなのでしょうか。真意が知りたいですねぇ。

高洲クリニックの院長先生は昭和大学卒だけど、知らないかな。