医学部予想問題 — ことわざ編の解説 3/3
TGIF! 英語圏の金曜日には、この4文字を書いたメールがけっこう飛び交います。
★Thank God It’s Friday!
の略で「神様きょうは金曜日、どうもありがとうございます」と週末が来ることを喜ぶ言い方です。メールの文末に、嬉しそうに入っていることが多いですね。
どれだけ仕事や学校が楽しくても、週末でほっとできるのには代えがたいですから。
毎日同じことの繰り返しでは、脳も同じところばかりを使って摩滅すると、前の会社で研修に来た脳生理学の先生が言われていました。5日がんばったら少しパターンを変えて息抜きをする、またはいつもと違うことをやってみるぐらいが心身にいいのでしょう。
ゴムだって、ずっと引っ張っていたら伸びきってしまいますからね。
さて、ことわざ編の解答・解説も最終回です。ことわざ予想問題にチャレンジされる場合はこちら。全15問です。
medicpress-harada.hatenablog.com
今日解説する後半部分は、前半よりぐっと難しくなっています。英語と日本語の直訳が相当離れるので、ちゃんと英語の文を理解したうえで「では日本語では、どういうことわざがあったかな」という2段階の思考が必要となります。
下線部分の英単語を選択肢から選ばせるような問題もありえますから、これを機に覚えてしまいましょう。
⑪Don't count your chickens before they hatch.
答え「取らぬ狸の皮算用」
文の前半は命令形です。countは日本語でもよく使いますね、「カウントする、数える」という意味です。Don’t count your chicken =鶏を数えるな、それらが hatchするまでは、という文型です。
hatchという単語を見たことないと、ちょっと詰まるかもしれません。これは「卵が孵る」という動詞です。つまり「卵が孵るまで、鶏の数を数えてはいけないよ(卵がちゃんと孵化するか分からないからね)」ということは、日本のことわざでは「取らぬ狸の皮算用」です。
ちなみに、狸や孵化など普段は書くことのない単語は、よほど自信がない限りは試験で書こうとしない方がいいです。タヌキ、ふ化と書く方が、間違った漢字を無理に書くよりよいです。
覚えていますか、試験は点差を付けて合格者を選抜するために行います。せっかく正答したのに、漢字ミスで英語で減点を食らうのはもったいないですから。「勿体無い」のようにパソコンじゃないと書けないような漢字は、試験本番ではひらがなでいいのです。
⑫Too many cooks spoil the broth.
答え「船頭多くして船山に登る」
この問題も、見たことがないと厳しいと思います。too many〜は「〜が多すぎる」という意味で頻出しますね。では何が多すぎるのかというと、複数になっているcookさんだそうです。
コックさんが多すぎると…というところで、船頭多くして…と気づけば、spoilやbrothが分からなくても、正答できます。どれだけ賢くても努力しても、試験に出る全単語を前もって知っておくことは不可能ですから、こういう予測力は大事ですよ。
で、そのspoilですが、cooksという複数形の主語を受けて原型のまま出ています。「〜を無駄にする、甘やかす」という単語です。不規則活用で、spoil spoilt spoiltと変化します。「あれは本当に甘やかされたダメな子だ」はShe is such a spoilt child.と憎々しげに言います。この形も覚えておいてください。
さて本文では、brothをダメにしちゃったと言っています。聞き慣れない言葉ですが、soupだと分かりやすいですね?ほぼ近い意味です。スープが完成形、ブロスはその前段階を指します。海外のスーパーではたくさんの種類のbrothを売っています。
まとめると、「コックが多すぎると、スープの素がダメになってしまう」というのが直訳ですね。つまり日本語のことわざでは「船頭多くして船山に登る」です。
⑬Two heads are better than one.
答え「三人寄れば文殊の知恵」
Two headsは「2つの頭」、そしてそれはbetter than one「1つより良い」と言っています。「頭が2つあると1つよりよい」、つまり独りで考えるよりも2人のほうが良い知恵が出るということですね。これに該当する日本語のことわざは、「三人寄れば文殊の知恵」です。
⑭God helps those who help themselves.
答え「人事を尽くして天命を待つ」
英文は前からガンガン読むのが基本です。分からない部分は英語そのままでいいので、まず全文に目を通すようにしてください。
この例題では、神はthose who help themselvesなものを助ける、とあります。「○○な人々」という形で詳しく説明したい場合は、those who ~という書き方をよくやります。thoseとwhoの間にpeopleが省略されています。このthoseは頻出しますから、こうした使い方は必ず覚えておきましょう。
people who help themselvesということは、「自分で自分を助ける人々」という意味ですね。つまり神は自力でがんばる人を助ける、すなわち「人事を尽くして天命を待つ」が正解です。他力本願じゃなく、まず自助努力が大事だということですね。
⑮Vengeance is mine. I shall repay.
答え「復讐するは我 にあり」
これは1月24日に解説しましたので、そちらをごらんください。
medicpress-harada.hatenablog.com
腹が立って気が遠くなりそうな時に思い出すと、心の支えとなる聖句です。
Have a great weekend!