読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

医学部合格応援団!英語で満点を取るための演習ブログ

ロンドンから月水金更新。英検1級の公認会計士が、入試でよく出る英文法や単語を詳しく解説しています。

長文読解問題 ─ テクノロジー関連記事の解説 3/3

テクノロジー関連の長文の解説は、今日で最後です。予想問題本文はこちらです。

medicpress-harada.hatenablog.com

★As the Harvard Business Review recently expounded*, / ハーバード・ビジネス・レビュー誌が最近解説した通り、

the goal of Blockchain is to decentralize data, / ブロックチェーンの目的はデータを分散させることにある。

(B-6) thus creating a shared, globally accessible network; / そうすることで、共有の、世界中からアクセス可能なネットワークを構築するのだ。

this decentralization of data has the power / このデータの分散化は、~する力を持つ。

to revolutionize the world./ 世界に革命を起こす

 

下線部B-6は、the goal of~という文が、次のcreating a shared, globally accessible networkにどうつながるのかという点から考える必要があります。データを世界中に分散させること=ネットワーク上で共有することという文脈ですから、tで始まる肯定的な接続詞がここには入りますね。よって答えはthusです。

もしこれが「hから始まる語にしなさい」という問題ならば、henceを入れてください。thusより固めの言葉で登場頻度は低いですが、ほぼ同じ意味です。

 

revolutionizeは、名詞revolution「革命」の動詞形です。よくあるように、アメリカ英語では~nize、イギリス英語では~niseで終わります。

・material「物質」→ materializeまたはmaterialise「実現させる」

・vocal「声の」→ vocalizeまたはvocalise「声にする」

なども同じです。

自分がいる国に合わせてzかsかを選べばいいですが、入試で記述問題がある際は一応zに統一しておきましょう。世界の中心はアメリカであって、老大国イギリスではありませんので(上司よ、すまぬがこれが真実だ)。

 

ブロックチェーンは、文字通りデータをブロックごとにチェーンにつないであると理解するといいかもしれません。つないであるから、容易に変えられないのです。面白いコンセプトですよね。セキュリティ強化というと、一箇所に集めて厳重に管理する方がいいように思えます。が、ブロックチェーンはまったく逆の発想をします。世界中にバラまいて見られる形なら、手を加えられないだろうというのですから。

確かに一箇所にしかデータがない場合、そこがハッカーにやられたら終わりです。でも数百万人が保有しているデータだと、それ全部を一度に改ざんすることはとても難しくなります。

f:id:medicpress-harada:20170322053507j:plain

★Early conceptions of the Internet imagined / 初期のインターネットのコンセプトでは、~を想定していた。

a virtual structure / バーチャルな構造を

free of hierarchy./ 上下関係のない

 

imagine「想像する」「イメージする」という動詞が、珍しいことに人でない物を主語にしています。structure「構造」は書ける必要のある名詞です。似た言葉でframework「フレームワーク」「枠組み」も一緒に覚えましょう。

free of ~というのは「~のない」というイディオムです。Googleでworld free ofと打ち込むと、world free of cancer, world free of hunger, world free of nuclear weaponsなどいくつも例が出ます。「がんのない世界」「飢餓のない世界」「核兵器のない世界」など、人類の願いが出ていますね。ここではworld free of hierarchyと言っていますから「上下関係のない世界」「ヒエラルキーに縛られない世界」という意味です。

 

★That promise has been (B-7) half-delivered; / その約束は半分しか果たされていない。

while it’s true that / that以下が真実な一方

the Internet is widely accessible / インターネットが広くアクセス可能という点は

(given that those attempting to access it live / (もちろんアクセスしようとしている個人が~に住んでいることが条件だが

in an environment with infrastructure built for the Internet) / インターネット用インフラのある環境に)

technology corporations and governments have largely been in control. / テクノロジー企業と政府が大きな力を持ったままだ。

 

文章が長くて複雑なので、細かく区切ってみました。( )内は修飾節に過ぎませんから、いったん横に置いて考えましょう。

まず、That promise has only been half-deliveredで始まります。That promise = the world free of hierarchyです。約束はhalf-delivered、つまり半分しか果たされていないようです。

deliverの名詞形は、日本語にもなっているデリバリーdeliveryです。このようにdeliverは「配達する」という大きな意味がありますが、「約束を果たす」という意味もあります。a deliverableというと「成果物」という意味の名詞です。

つづりは似ていますが、金融派生商品を指すderivativeデリバティブとは違いますので注意してください。デリバティブは、derive from「〜派生する」という動詞が元です。

 

下線部B-7はちょっと難しかったかもしれません。halfを動詞の過去分詞形の前につける言い方です。「半分だけ~した」「半端に~した」という形容詞になります。

half-bakedは知っておいた方が良い表現です。パンを焼くことをベーキングといいますが、そのbakeがハーフしか出来ていない、つまり生焼けです。転じて「中途半端な」という意味で使います。

★You cannot rely on me too much in Shanghai. My Chinese is only half-baked. 「上海に行ってもあまり僕に頼っちゃダメだよ。中国語はカタコトだから」

などという使い方をします。ちなみに私のように中国語が話せない場合は、

★My Chinese is non-existent.

中国語(の能力)は存在しない、という言い方で通じます。「ニーハオ」と「謝謝」の他に言えるのは、「中国語は話せません」と「領収書ください」だけなので、ほぼnon-existentです。これは動詞exist「存在する」が形容詞existentになって、それをnonで否定しています。

 

「While 文章A, 文章B」という構文は、「確かにAだが、Bでもある」という非常によく使う書き言葉です。確かにネットは広くアクセス可能なものだったが、その一方でヒエラルキーがなくなるという期待は裏切られ、テック企業や政府が力を持ったままだと言っています。

 

★An open system is especially (A-6) intriguing for burgeoning* entrepreneurs and small business owners / オープンなシステムは特に、スタートしたばかりの起業家や中小企業オーナーにとって魅力がある。

because it solves many of the problems / なぜならそれは多くの問題を解決するからだ。

(A-7) plaguing small businesses today: / 今日の中小企業を蝕む

payment scams, / 支払い詐欺や

transactional (A-8) disputes, / 取引をめぐる争いや

and data storage. / データ保存など

 

ブロックチェーンがどう社会を変えるかについて、いよいよ具体的な話が出て来ました。インターネットの実権が大企業や政府に握られている一方で、ブロックチェーンは中小企業を助けるという主旨のことが書いてあります。

burgeonは「新芽が出る」という動詞で、burgeoningと形容詞になると「新進気鋭の」といった意味になります。これは意味さえ知っておけばよい単語ですが、次のentrepreneur「起業家」は書ける必要があります。元がフランス語なのでつづりが複雑ですし、発音問題でも「またお前か」と思うほどよく出ます。確認しておきましょう。

entrepreneur - definition of entrepreneur in English | Oxford Dictionaries

scamはfraudと同じで、「不正行為」「詐欺」という名詞です。fraudは短い単語ですが、auはAugustと同じ発音だという点に注意してください。これも発音問題で頻出です。

 

下線部A-6 intriguingに一番近いのは、選択肢の中ではattractive「魅力的な」です。intrigueはちょっと難しい動詞で、「心をひきつける」「魅惑する」といった意味です。発音もチェックしましょう。

intrigue - definition of intrigue in English | Oxford Dictionaries

その他の選択肢は、inquisitive「質問好きな」・surprizing「驚くような」・amazing「すばらしさに驚嘆するような」でした。

 

下線部A-7 plaguingは動詞も名詞も同じplagueで「疫病」「蝕む」という嫌な意味の動詞です。これもちょっと妙な発音なので、確認しておいてください。

plague - definition of plague in English | Oxford Dictionaries

選択肢の中で最も意味が近いのはtroubling「トラブルを起こす」「困らせる」ですね。他の選択肢は、原型で書くとstick「ひっつく」・clean「掃除する」・touch「触れる」でした。

 

下線部A-8 disputesは、名詞disputeの複数形です。これは「争い」という意味ですので、一番近いのはfightsです。transactional disputes「取引をめぐる争い」をfightを使って言い換えると、fights over transactionsとoverを使います。

他の選択肢も喧嘩っぽいものを集めました。それぞれ単数形で、concern「懸念」・punch「パンチ」・ quarrel「口争い」です。quarrelが口だけなのに対し、fightというと殴り合いのイメージです。

 

★Blockchain provides business owners / ブロックチェーンは会社経営者に~を与えるのだ。

(B-8) with the opportunity / ~する機会を

to enhance internal operational and external customer satisfaction. / 社内の業務プロセスと社外の顧客満足を改善する

 

internal内部とexternal外部の両方に効く、と並列の言い方になっていることに注目しましょう。enhanceは「~を高める」という動詞で、名詞のenhancementとともによく出ます。

ブロックチェーン関連の記事は山ほどあって、程よい難易度の文法が含まれているものもいくつもありました。ただ、続けてブロックチェーンネタというのも飽きてしまうでしょうから、また別の機会にしますね。

毎月の海外出張でラップトップがすぐ不調になります。すると昨日のようにiPad入力になって、書ける量に限度が出ます。元からブログの文章量が長過ぎる傾向はあるので、短めに済ますのありかもしれません。でも伝えたいことが多過ぎて…。

ここでちらっと読んだ単語なり文法なりが頭の隅に引っかかっていれば、それが入試や模試で助けになることが必ずあると思うのです。大学院を出てから20年、キャリアのほとんどを外資系で過ごして来ましたから、私ほど英文に触れている日本人も少ないでしょうし。

予防医学関係でいい新聞記事を見たので、次回の予想問題はそこから作ろうと思います。Bye for now!