イディオム問題の解説・後編
今日は、イディオム問題の解説の後半戦をお送りします。予想問題本文はこちらです。
medicpress-harada.hatenablog.com
問6 I really think you've got a shot to win, so I'll keep my ( fingers ) crossed. 君が勝つチャンスはあると思うよ。うまく行くよう祈ってるね。
keep my fingers crossedはよく使う言い方で、 「祈る」というイディオムです。中指と人差し指を絡めて顔の横で振り、笑顔で相手に「君の成功を祈ってるよ」と合図します。逆に「僕の成功を祈っておいてね」という言い方は
★Please keep your fingers crossed for me.
★Wish me luck!
★Pray for my success. = Save a prayer for me.
などです。
have a shot to winは、have a good chance to winと同じで、文字通り「勝つチャンスがある」という意味です。
問7 I don't tell people but I'm ( biting ) my nails in my mind... just so nervous! 口に出しては言わないけど、すごく緊張してる。ドキドキだよー。
nailは爪ですね。前に「ばっちり決める」という意味の動詞で紹介したことがあります。
bite one’s nailsは文字通り「爪を齧る」ですが、緊張を表す表現にもなります。 nervousは形容詞で「神経質な」「胸がドキドキする」という言い方です。nervous break downで「神経衰弱」または「ストレスで倒れること」を指します。名詞nerveは「神経」です。
問8 When John said that he would want to break up with me, my heart sank to my ( feet ). ジョンに別れたいと言われた時は、本当に落ち込んだ。
なんだかかわいそうな例文ですが、長い人生そういうこともあるでしょう。落ち込むという言い方には
・ショックが強い場合:I got shocked that~
・鬱っぽくなった場合:I got depressed because~
などいくつかありますが、ハートが足まで落ちてしまうという例文の言い方もリアリティがありますね。日本語では「胸が痛む」と言いますが、英語では「ハートが足まで沈む」のです。
足は片方だとfoot、両方だとfeetです。長さのfeetも成人男性の足の大きさから来ていて、1フィート=30.48cmです。日本人より足が大きいですね!
問9 We are in it to ( win ) it, so don't mess with us! 本気で勝ちに行くから、邪魔すんなよ。
in it to win itはinとwinが韻を踏んでいて、口語で本当によく使われます。世界を支配しているアングロ・サクソン(イギリスおよびアメリカの白人に多い)は、ヨーロッパで戦争を繰り返してきた競争心の強い人々です。勝ち負けには徹底的にこだわるし、闘志を表に出して結果を出すことを厭いません。アメリカ人は特にそうですよね。
competitiveであることを良しとしますから「戦うからには勝つ」「どんな競争でも大好き」みたいな面があり、すぐWe are in it to win it!と言います。おとなしい日本人も、ちょっとは見習っていいかも。 人生、結果を残したもの勝ちですからね。
問10 With the family's permission, Ellen was ( taken ) off life support since her brain damage was not recoverable. エレンの脳へのダメージは大き過ぎたため、家族の許可を得て生命維持装置が外された。
これもかわいそうな例文ですが、take offは基本的で大切なイディオムなので入れました。書けなかった人は反省してください。
意味はいくつかあって、もっとも代表的なのが「飛行機が飛び立つ」です。ただtake off one’s clothesなどで「服などを脱ぐ」という言い方にも使いますし、この例文のように「~を取り外す」という意味も持ちます。
エレンが自分で生命維持装置を外したわけではないので、受動態です。能動態で言い換えるならDoctors took off life support from Ellen since…となります。