医学部合格応援団◇息子のための英文法演習ブログ

ロンドン単身赴任の米国公認会計士が、息子のために医学部受験向けに英語を解説しています。

センター予想問題 — 問2Cの解説

今日は問2Cの解説ですね。正しい文章になるよう下線部AかBかを選び、以下の8パターンから回答するのでした。

①A→A→A ②A→A→B

③A→B→A ④A→B→B

⑤B→A→A ⑥B→A→B

⑦B→B→A ⑧B→B→B

 予想問題本文はこちらです。

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正しい組み合わせは、赤字で示しました。

 

問1 ジョンさんが、仲の悪い2人をミーティングに同時に呼んで大丈夫か心配しています。

John: Are you sure you want to call both of them to the same meeting?

Ted: Why not?           

(A) Don't you think (A) they are too civilized   (A) to discuss it together?

(B) Do you think  (B) they are civilized enough (B) discussing it together?

 

正解 ③(つまりA→B→A)

 

1文ずつ見てみましょう。

John: ジョン

★Are you sure / 大丈夫かい?

you want to call both of them / あいつら2人を両方呼びたいって

to the same meeting? / 同じミーティングに

英語でAre you sure that~?というと、直訳では「~は確かか」ですが、実際の意味は「~して大丈夫か」となります。

2日前に、want toが未来形の代わりに使えるという話をしました。ここでも同じです。「呼びたい」という願望や欲望というよりは、「呼ぶつもりだ」という意思や予定を表しています。

 

Ted: テッド

★Why not? / もちろんさ。          

★Don't you think / 思わないかい?

they are civilized enough / あいつらだって分別はあるよ

to discuss it together? / 一緒に話し合いする程度の

Why not?はWhy do you think I should not?の略です。相手が何かに反対しているのに対し、自分は大丈夫だと思う時に使います。

civilizsedは「文明の」という形容詞ですが、ここでは「分別がある」と訳しました。原始人に比べると、現代人の方が分別があって大人な振る舞いができるはずですよね。

enough to構文が入っていることに注目しましょう。「あいつらだって大人なんだから、一緒に話し合いぐらいはできるよ」という意味にするため、civilized enough + to discuss it togetherという文章にしています。

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問2 この例文では、どうやらパトリック君が休んでいるようです。

Teacher: I don't see Patrick. Did he call in sick?

Student: No, Mr. Robertson.  

(A) Pat's father passed out and  (A) he is on bereverent leave (A) by Thursday.

(B) Pat's father passed away and (B) he is on sick leave            (B) till Thursday.

 

 解 ⑥(つまりB→A→B)

 

Teacher: 先生

★I don't see Patrick. / パトリックがいませんね。

★Did he call in sick? / 病欠だと連絡がありましたか?

call in~は「~と連絡を寄越す」という意味です。call in sickで「病欠の連絡をする」です。海外でも中学生以上だと科目によって先生が代わるので、担任でないと欠席の理由を知っているとは限りません。

 

Student: 生徒

★No, Mr. Robertson. / いいえ、ロバート先生。 

★Pat's father passed away and / パットはお父さんが亡くなったので

he is on bereverent leave / 忌引きです。

till Thursday./ 木曜まで

前回、この問題を解くコツはAとBを比べるだけだと書きました。この文は特にそうですね。

まず1つ目の塊で、pass awayとpass outを区別できるか見ています。pass awayは「亡くなる」という意味で、is diedまたはdieの丁寧な言い方です。一方でpass outは「失神する」という意味のイディオムです。

 

次の塊では、休みについての知識を問うています。on benereverent leaveは「忌引きだ」という難しい言い方で、知らない人も多かったと思います。以前紹介したon condolence leaveと同じです(下のリンク、第5位です)。ただこれを知らなくても、もう1つの選択肢on sick leaveが病欠ですから、これは誤りだと分かります。つまり消去法で、on benereverent leaveを選べますね。

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大事なので何度も書きますが、試験では必ず知らない単語が出ます。出題者側としては点差を付ける必要があるし、満点も取らせたくないからです。大事なのは「知らない」「分からない」ということに動揺せず、他の知識を総動員して正しい選択肢を選ぶことです。

最後の塊では、木曜まで忌引きというのをtill Thursdayなのかby Thursdayなのかを選ばせています。前置詞byを入れると、木曜までに何かをする、という未来の予定風の意味合いとなります。忌引きは木曜が最終日という意味の文章にしたいわけですから、byでなくtillが入っているBが正しいです。

 

問3 この鬼コーチの例文は、作ってて楽しかったです。苦手な人の多い構文がいくつも入っています。

Emily: Coach, this is too hard for me. I don't think I can do it.

Coach: Yes, Emily. I know you can. 

(A) Stop to whine and (A) show me that (A) you can step up.

(B) Stop whining and  (B) tell me that     (B) you won't step up.

 

解 ⑤(つまりB→A→A)

 

Emily: エミリー

★Coach, this is too hard for me./ コーチ、厳しいです。

★I don't think I can do it./ とても出来そうにありません。

練習がきついのでしょうか、エミリーが弱音を吐いています。日本語の「出来ないと思う」は、つい I think I can not do it.と書いてしまいそうですが、違います。英語はまずyesかnoかをはっきりさせるので、I don't thinkで文を始めます。

 

Coach: コーチ

★Yes, Emily./ いやエミリー

★I know you can. / 君なら出来ると私は知っているよ。

★Stop whining and / 泣き言を言うのはやめて

show me that / 見せてくれ。

you can step up./ もっと出来るというところを

どっかの修造みたいな熱さのコーチですね。エイミーがcan notと言っているのに対し、コーチがYes, Emily.と励ましている点に注目してください。Yes Emily, you can do it!と励ましているのですね。日本語では「いやエミリー、出来るさ」となりyesとは逆の訳になってしまいますが、違う言語なので仕方ありません。

 

stopには、

・stop 〜ing

・stop to + 動詞の原型

という2種類の使い方があります。「〜しているのを止める」場合はstop 〜ingです。stop to 〜は、「〜をするために立ち止まる」ですから、全く意味が違います。

つまり、大人が子供を叱る時は

・Stop crying!「泣かないの」

・Stop being so naughty! 「そんなにイタズラばかりしないの」

・Stop messing around! 「グズグズしないの」

など、ing形ばかりです。whineは「ぶつぶつと泣き言を言う」という動詞で、お酒のwineと同じ発音です。

 

step upは「諦める」give upの反対で、「より進化する」という意味です。ですから選択肢Bのようにwon'tを付けてはいけません。同じような意味でman upというイディオムもあります。「男らしく立ち向かう」「しっかりする」という意味です。