センター予想問題 — 問2Cの解説
今日は問2Cの解説ですね。正しい文章になるよう下線部AかBかを選び、以下の8パターンから回答するのでした。
①A→A→A ②A→A→B
③A→B→A ④A→B→B
⑤B→A→A ⑥B→A→B
⑦B→B→A ⑧B→B→B
予想問題本文はこちらです。
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正しい組み合わせは、赤字で示しました。
問1 ジョンさんが、仲の悪い2人をミーティングに同時に呼んで大丈夫か心配しています。
John: Are you sure you want to call both of them to the same meeting?
Ted: Why not?
(A) Don't you think (A) they are too civilized (A) to discuss it together?
(B) Do you think (B) they are civilized enough (B) discussing it together?
正解 ③(つまりA→B→A)
1文ずつ見てみましょう。
John: ジョン
★Are you sure / 大丈夫かい?
you want to call both of them / あいつら2人を両方呼びたいって
to the same meeting? / 同じミーティングに
英語でAre you sure that~?というと、直訳では「~は確かか」ですが、実際の意味は「~して大丈夫か」となります。
2日前に、want toが未来形の代わりに使えるという話をしました。ここでも同じです。「呼びたい」という願望や欲望というよりは、「呼ぶつもりだ」という意思や予定を表しています。
Ted: テッド
★Why not? / もちろんさ。
★Don't you think / 思わないかい?
they are civilized enough / あいつらだって分別はあるよ
to discuss it together? / 一緒に話し合いする程度の
Why not?はWhy do you think I should not?の略です。相手が何かに反対しているのに対し、自分は大丈夫だと思う時に使います。
civilizsedは「文明の」という形容詞ですが、ここでは「分別がある」と訳しました。原始人に比べると、現代人の方が分別があって大人な振る舞いができるはずですよね。
enough to構文が入っていることに注目しましょう。「あいつらだって大人なんだから、一緒に話し合いぐらいはできるよ」という意味にするため、civilized enough + to discuss it togetherという文章にしています。
問2 この例文では、どうやらパトリック君が休んでいるようです。
Teacher: I don't see Patrick. Did he call in sick?
Student: No, Mr. Robertson.
(A) Pat's father passed out and (A) he is on bereverent leave (A) by Thursday.
(B) Pat's father passed away and (B) he is on sick leave (B) till Thursday.
正解 ⑥(つまりB→A→B)
Teacher: 先生
★I don't see Patrick. / パトリックがいませんね。
★Did he call in sick? / 病欠だと連絡がありましたか?
call in~は「~と連絡を寄越す」という意味です。call in sickで「病欠の連絡をする」です。海外でも中学生以上だと科目によって先生が代わるので、担任でないと欠席の理由を知っているとは限りません。
Student: 生徒
★No, Mr. Robertson. / いいえ、ロバート先生。
★Pat's father passed away and / パットはお父さんが亡くなったので
he is on bereverent leave / 忌引きです。
till Thursday./ 木曜まで
前回、この問題を解くコツはAとBを比べるだけだと書きました。この文は特にそうですね。
まず1つ目の塊で、pass awayとpass outを区別できるか見ています。pass awayは「亡くなる」という意味で、is diedまたはdieの丁寧な言い方です。一方でpass outは「失神する」という意味のイディオムです。
次の塊では、休みについての知識を問うています。on benereverent leaveは「忌引きだ」という難しい言い方で、知らない人も多かったと思います。以前紹介したon condolence leaveと同じです(下のリンク、第5位です)。ただこれを知らなくても、もう1つの選択肢on sick leaveが病欠ですから、これは誤りだと分かります。つまり消去法で、on benereverent leaveを選べますね。
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大事なので何度も書きますが、試験では必ず知らない単語が出ます。出題者側としては点差を付ける必要があるし、満点も取らせたくないからです。大事なのは「知らない」「分からない」ということに動揺せず、他の知識を総動員して正しい選択肢を選ぶことです。
最後の塊では、木曜まで忌引きというのをtill Thursdayなのかby Thursdayなのかを選ばせています。前置詞byを入れると、木曜までに何かをする、という未来の予定風の意味合いとなります。忌引きは木曜が最終日という意味の文章にしたいわけですから、byでなくtillが入っているBが正しいです。
問3 この鬼コーチの例文は、作ってて楽しかったです。苦手な人の多い構文がいくつも入っています。
Emily: Coach, this is too hard for me. I don't think I can do it.
Coach: Yes, Emily. I know you can.
(A) Stop to whine and (A) show me that (A) you can step up.
(B) Stop whining and (B) tell me that (B) you won't step up.
正解 ⑤(つまりB→A→A)
Emily: エミリー
★Coach, this is too hard for me./ コーチ、厳しいです。
★I don't think I can do it./ とても出来そうにありません。
練習がきついのでしょうか、エミリーが弱音を吐いています。日本語の「出来ないと思う」は、つい I think I can not do it.と書いてしまいそうですが、違います。英語はまずyesかnoかをはっきりさせるので、I don't thinkで文を始めます。
Coach: コーチ
★Yes, Emily./ いやエミリー
★I know you can. / 君なら出来ると私は知っているよ。
★Stop whining and / 泣き言を言うのはやめて
show me that / 見せてくれ。
you can step up./ もっと出来るというところを
どっかの修造みたいな熱さのコーチですね。エイミーがcan notと言っているのに対し、コーチがYes, Emily.と励ましている点に注目してください。Yes Emily, you can do it!と励ましているのですね。日本語では「いやエミリー、出来るさ」となりyesとは逆の訳になってしまいますが、違う言語なので仕方ありません。
stopには、
・stop 〜ing
・stop to + 動詞の原型
という2種類の使い方があります。「〜しているのを止める」場合はstop 〜ingです。stop to 〜は、「〜をするために立ち止まる」ですから、全く意味が違います。
つまり、大人が子供を叱る時は
・Stop crying!「泣かないの」
・Stop being so naughty! 「そんなにイタズラばかりしないの」
・Stop messing around! 「グズグズしないの」
など、ing形ばかりです。whineは「ぶつぶつと泣き言を言う」という動詞で、お酒のwineと同じ発音です。
step upは「諦める」give upの反対で、「より進化する」という意味です。ですから選択肢Bのようにwon'tを付けてはいけません。同じような意味でman upというイディオムもあります。「男らしく立ち向かう」「しっかりする」という意味です。