慈恵医大の予想問題 ─ 会話文の穴埋め・解説前編
星空のきれいなポーランドからお送りしています。街はエジンバラに似ていますが、写真の通り、建物がカラフルで明るい印象です。外は零下でまだまだコートが手放せません。
今日はまず答えを書いて、最初の3問の解説をします。
Q1. 友人同士の会話
<A> I have real problem understanding what Rob says. Isn’t he too technical?
<B> Obviously he is some kind of prodigy. Way beyond our comprehension.
Q2. 息子とお母さんの会話
<A> Sorry, mum. I have a change of heart. Can I take a rain check for dinner?
<B> Oh no, John. Again? Well, suit yourself. You don’t know what you’re missing!
Q3. これも息子とお母さんの会話
<A> Sweetie, you look upset. What happened?
<B> It's them again. Tom and Derek called me names and made fun of me in public.
<A> That's it. I'll call the principal. No one should put up with that kind of bullying!
Q4. 先生と生徒の会話
<A> Settle down, class. ls there a problem, Jenny?
<B> No, Miss Porter. Not that I am aware of.
Q5. 友人同士の会話
<A> Do you know where Jimmy is? I haven't seen him since lunch.
<B> No. Your guess is as good as mine.
Q6. 友人同士の会話
<A> I was baffled by Linda's remarks. How on earth can she be so insensitive?
<B> Best leave her alone. She just speaks her mind without thinking.
Q7. 先生と生徒の会話
<A> Class, Mr. Richie is feeling a little under the weather, today.
<B> Miss White, is he returning tomorrow?
Q1 は友人同士の会話です。ロブ君という友達の言うことが難しすぎて、何を言ってるのかよく分からないと話しています。
A君の質問
★I have real problem understanding what Rob says. / ロブが言ってること、よくわかんないんだけど。
have problem~ingで「~するのが難しい」「難し過ぎて~できない」というイディオムです。
★Isn’t he too technical? / 難し過ぎじゃね?
too + 形容詞Xで「X過ぎる」という言い方ですね。technicalというのは「専門的な」「高度な」という意味の形容詞です。
B君の回答
★Obviously he is some kind of prodigy. / あいつ、なんか天才らしいよ。
obviouslyは「明らかに」という形容動詞ですが、このように文頭につける場合はその後の文章を強調する役目を持ちます。
あいまいな情報なので、some kind ofが入っています。他にsome sort of prodigyやprodigy of some sortとも言い換え可能。
「天才」は通常geniusですね。ジー二アス英和辞典もここから来ています。prodigyとは、特に年の若い天才すなわち「神童」を指す言い方です。発音も確認しておいてください。
★Way beyond our comprehension. / 俺たちでは着いていけないのさ。
beyondは「~を超えて」という前置詞です。beyond Y’s comprehensionで「Yの理解を超えた」というイディオムです。
comprehensionの動詞形はcomprehendで、「理解する」という意味。通常使うunderstandより、もっと頭を使って理解するイメージです。
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Q2では息子のジョンが、お母さんとのディナーの約束をドタキャンして嫌がられています。
ジョンの呼びかけ
★Sorry, mum. I have a change of heart. / ごめんママ。気が変わったんだけど。
I have a change of heart.は「気が変わった」という意味で、I have changed my mind.と同じ言い方です。
★Can I take a rain check for dinner? / ディナー、また今度でいい?
このCan I take a rain check?という言い方は、覚えておいた方がいいです。「またの機会でいい?」という意味で、親しい間柄で使います。知らないと、なんでここで雨に言及?小切手で何をする?と思ってしまいます。
ママの反応
★Oh no, John. Again? / またなの、ジョン?
どうもジョン君は、前もママとの約束を反故にしたことがあるようです。Again?と嫌がられてます。アクセントもこのAgain?に思いっきりつけましょう。「またかよ、ふざけろよ」というニュアンスを出せます。
★Well, suit yourself. ま、好きにしなさい。
suit yourselfは「好きにするがいいさ」という突き放した言い方で、目下に対して使います。アクセントはsuitに来ます。「~に合わせる」という動詞なので、実は命令形になっています。まさに「好きにしろ」という意味ですね。
★You don’t know what you’re missing! / おいしいもの逃したって、自業自得ですからね。
これも決まった言い方です。チャンスを自分勝手な都合で逃す場合など、その勝手な相手に対して「何を逃してるか、知らないくせに」と皮肉を言う表現です。
missは、日本語でいうミスと違うので要注意。「エラー」「誤り」という意味の名詞はmistakeです。make a mistakeで「間違える」です。ミス日本という場合はMissと大文字になります。日本の未婚女性の中で最も美しい人に与えられるべき称号ですが、実際はエントリーした未婚女性の中から選ばれます。
英語でmissというと、動詞「~を逃す」というのが基本の意味です。歌でI miss you.というのがよくありますが、これは「~がいなくて寂しく思う」という別の意味から来ています。
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Q3も、息子とお母さんの会話です。なぜお母さんと言えるかというと、息子にSweetieと呼びかけているからです。これは「かわいい子」と呼びかける愛称です。英語圏ではだんなさが奥さんをSweetheartやHoneyと呼ぶことがありますが、Sweetieはどちらかというと子供に使います。仲の良い家族だと、高校生ぐらいまで使う家庭もありるようです。
よその子に呼びかける時は、よほど小さい子ならSweetieでもいいですが、普通はDarlin'やBabyにする印象です。うちは年子なので、まとめてKidsと呼びます。
ママの呼びかけ
★Sweetie, you look upset. / あらあら、動揺してるみたい。
You look ~.で、「~に見える」という言い方です。You look great.だと「かっこいいよ」、You look tired.だと「疲れてるみたい」という意味です。
ここで使っているupsetは、unhappy+disappointed+worriedのような語ですから、帰ってきた息子が尋常ならざる様子をしているのを心配しています。
★What happened? / どうしたの?
What happened to you?でも同じ意味です。相手を気に懸けるやさしい言い方です。アクセントはhappenedで。
息子の反応
★It's them again. / またあいつらなんだ。
★Tom and Derek called me names / トムとデレクが僕の悪口を言って
and made fun of me in public. / 人前でからかったの。
againが入っていますから、どうも息子はまたしてもいじめっ子にやられたようです。call ~ namesは「~の悪口を言う」、make fun of ~は「~をからかう」という イディオムです。
in publicは「公衆の面前で」。対義語はin private「個人的に」です。
ママの怒り
★That's it. / もう我慢ならない。
That’s it.は「これで終わりだ」という言い方ですが、そこから発展して「これで全部済んだよ」や、とても怒って「もう我慢もこれまでだ」という意味でも使います。
★I'll call the principal. / 校長先生に電話するわ。
principleとprincipal、間違えやすいので注意しましょう。「主義主張」「原則」という意味はprinciple、一方で「校長先生」はprincipalで、最後の2文字が違います。
助動詞willは強い意志を表します。もう止めても無駄な勢いです。校長に抗議するという未来をママが作るので、未来形なのですね。
★No one should put up with / 誰も~を我慢すべきじゃなもの。
that kind of bullying! / そんないじめ
put up with~も、書ける必要のあるイディオムです。「我慢する」という意味です。以前、帝京大学用の文法問題の問4で出てきました。
medicpress-harada.hatenablog.com
さあ大変、息子がいじめられて、お母さんが校長先生にねじ込むようです。校長先生はおそらく”We are sorry to hear this. Let us look into it and get back to you.”と逃げると思われます。「(息子さんがそのような目に遭われているという)お話をお伺いし、気の毒に思います。調査してまたご報告します」という意味です。
look intoを一語で言い換えると?「調べる」という動詞、investigateですね。では、調べることを職業にしているinvestigatorは?答えは「刑事さん」や「調査官」です。PIつまりprivate investigatorというと、私立探偵です。
bullyingは「いじめ」そのもの、bullyは「いじめっ子」を指します。Derek is such a bully that no one likes him.だと「デレクはいじめっ子だから、みんな嫌われている」という意味です。同じ意味でso that構文にするなら「意地悪だ」という形容詞を使いましょう。Derek is so mean that no one likes him. です。
いじめはアメリカでもイギリスでもやはり社会問題で、stop bullyingと検索すると、政府主導のキャンペーンなどがたくさん出ます。